FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

しっくりくる音と乗りきれない音

バイオリンを弾いていて、楽譜の違いについて、以前記事にしてみたが、さらに演奏の喜びと鑑賞の楽しさになる楽譜という点で、やっぱりきちんとした楽譜がいいなあと感じ入ったので、これをどうしても書きたくなった。
スズキの楽譜のものも聴いていて なんとかそれらしく聴こえたりちゃんと聴こえたりするものがある。曲にもよるのだが、ごく一部の曲はきちんとしてるのに、大半が違う。顕著なのは、お手本の録音を聴くとわかるのだが、お手本では楽譜と違う弓づかい指づかいで演奏している。つまり楽譜がほぼ無意味ないい加減なものになっている曲すら結構ある。
練習用の楽譜として考えるとしてもそれはおかしい。一応演奏用だから曲が音楽として楽しめるように弓づかい指づかいを指示しなければおかしい。
一方で、ベーレンライターやヘンレ版を弾けば弾くほどしっくりくる。弾けばわかるフィット感がある。ぴったりくるので音楽しやすい。
逆に言えばスズキなどのいい加減な楽譜ではスカスカでサッパリな感じがします。無機質な感じすらします。無理矢理感情移入しなければ弾けません。
この違いは私の主観的感覚なのかなと検証したとしても、きちんとバイオリンを弾こうとするかどうかの違いだと思います。まあいいやというポップス的な感覚ならスズキなどの譜面で不満を感じないかもしれません。
しかしスズキの豊かな人間を育むというキャッチも虚しく響きます。
ガッツリクラシックが好きで演奏しようとすると、かえってきちんとした楽譜でなければムリだなと思います。楽器と自分が一体になる感じでないとまともに弾いた感じがしないんです。
音楽にこだわりは付き物だと思いますが、みなさんはどんなところにこだわっているのでしょうか?ノリ、味わい、深み、高み、明るさ、トータル充実感というところでしょうか?
良いホールの弦の響きが私は一番好きなのかも知れません。弦セクションはほんとうに素晴らしい響きです。この世には妖精や精霊たちがホントにいるんだなあと。その音のイメージとぴったりくるのが良い楽譜、しっくりくる音だと思います。
バイオリンを習うのに先生の違いを問題にする前に楽譜の違い、メソッドの違いを間違えないようにしなければなりません。スズキメソッドに頼ると、バイオリンが少し違う楽器になる危険性があります。楽譜とメソッドの違いに注意しましょう。それらしいバイオリンモドキに終わってしまいます。
いままでどれだけ多くの人たちがニセモノをつかまされてきたのか考えると、まがいものの罪は大きく深いなと思いました。変な人生哲学に騙されてその気にさせられると、それこそ人生を間違えかねませんから。音楽もまたカルトと紙一重なところがあります。