FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

スズキメソッド(バイオリン向け)の使い方

f:id:FujiYama:20211109195937j:plain日本人にはスズキメソッドを信奉して失敗する人が多いが、おそらく海外でも似たような事例が多いだろうと思う。
なぜ失敗するかと言えば、愛がなんとか言って楽器が演奏できるようになるという幻想を抱かせる宗教的要素と詐欺的要素を孕んでいるからである。
スズキなんてバイオリンで言えば百分の一程度からよくて百分の五程度のほんの入り口、チュートリアル
ボーイング(運弓)のとりかかりに向いているまさに初心者向けメソッド。
左手には大きな難があり、あり得ないフィンガリング(運指)をそこかしこに指示している。
つまり一生懸命やるとガタガタの下手になるメソッドである。
子どもが歩行をおぼえてヨチヨチ歩きをする段階である。
まじめに信じてやるより通過儀礼的に流すメソッド。
なぜスズキの評価が高いのか実は意味不明。
生演奏より録音を重視しがちになるし、変なフォームの人が多いし、結局高額な楽器販売が目的だろうと言われている。(詐欺的商品多数アリ)
もう20年以上まえに有名な映画でミュージックオブハートというのがあって、ニューヨークの貧民街の劣悪な環境で少年がスズキメソッドで自信と誇りを身に付けて成長していくという美談なのだが、ただ痛々しいだけの政治教育である。
かじる程度で自信と誇りが身に付く人はもともと健康なので別にスズキが優れているというわけではなく、大半は落ちこぼれグレていく。
スズキメソッドが貧乏人をカモにして政治的に貧乏人を黙らせることで成功してきたところが、私はむしろ欠点であり、失敗だと思う。
バイオリンに間口を広げるなら、きちんとした奨学金制度が必要になるが、あまりに限定的支給である。
特に日本では難しい。
政府給付留学生制度と同じで富裕層に支給するばかりである。
日本の社会文化的に不幸な人たちが増えただけ。
通過してどんどん進行した人たちだけが幸福になっている。
本来的位置は幼児向けなので、きちんと2年くらいやったらあとは教室と段階と教本は完全に別にしなければ、ほとんど変な宗教詐欺に終わることが多いから、適切に活用するように注意喚起したい。

付記。伝統音楽を低所得層に全部自費でやらせるなんて日本は狂気の世界である。
それとあわせて今年米寿を迎えられた豊田翁の深い造詣が死んだままになるのは実にもったいない。(何年か前に一度だけでもヴィルトゥオーソの指揮を鑑賞できた機会に感謝している)
人は多少は苦労しなければいけないし、生活費を含む奨学金制度や「行い」は必要だ。鈴木のような度量のある指導者はもう出ないだろう。
人間性や愛をもっても、集金するほうがメインになってしまえば、音楽はそれでおしまいだ。国も悪いがスズキ関係も悪い。
崇高な音楽と魂を高級レストランと同じように使えば、神仏の怒りを受けるよりほかない。