オーディオや音の良いテレビでクラシック音楽を鑑賞していても全然及ばないことが、あまり日本人にはよくわからないようだ。そもそもクラシック音楽が良いということもわからない。日本人は極東人だから馬頭琴なら知っているつもりなのである。
馬頭琴をもっと繊細にコントロール可能な楽器にして、しかもハモらせて大合唱させようと考えると面白そうだと思うのが普通だと思うけど、なぜか馬頭琴一本のイメージが強い。中華の二胡の合奏では低音に欠けているから物足りない。
さて、西洋の弦楽器がモンゴルのヨーロッパ侵攻の影響を受けているのではないか?という話しもある。繊細なコントロールができるようになるのに弓の形状が馬頭琴に近く変化しているからまったく無関係とも言い切れない。
いずれにしてもホールで弦楽器が大合奏すると、とてつもないこの世のものとも思えない美しい景色が広がる。バイオリン一本でも美しいが、合奏となると別世界である。近所から聞こえてくるあのバイオリンの音とはまったく違う音なのだ。サントリーホールなどで鑑賞すると歴然だ。
私がある地方都市のホールで試しても全然別次元だった。いつもの部屋の音ではない。ましてや屋外の音でもない。
とても情景的な心の風景画を見るような、次から次に繰り出される絵画が心に訴えるものを楽しめる。
ある意味作曲家の意図にはまっているのだから演者が優れているということでもある。
日本には最高級のホールがかなりあってしかも演奏レベルがしっかりあるプロオーケストラがほどほどある。もったいないのでまたちょくちょく演奏会に行くことにする。ピアノ弾きもたくさんいるし、クラシック音楽を楽しむには素晴らしいアジア唯一の国かもしれない。