以前、モーツァルトのミラーデュエットを教室の先生に合わせていただいたことを記事に書いた。
その時、モーツァルトのロンドのボーイングが太過ぎる話も書いた。
ロンドを修正するのは比較的そこまで難しく感じなかったが、ミラーデュエットはそこそこ骨に感じている。
ロンドは合奏の課題だったので馴れもあり、しかしミラーデュエットはお手本になる動画がなく、1度コンサートで聴いただけ。
先日、先生にボーイング指導をお願いした。
改善したつもりが、まだまだなんというか機械的すぎたし粗めだった。
モーツァルトの協奏曲や合奏曲、オーケストラパートなどを全部レッスンしてもらうよりはこの1曲で飛躍したいという魂胆なのだから欲が深い。(下に楽譜の最初部分を載せました)
しかし、この魂胆は正解だった。
自然さと緻密繊細さをもったバイオリンボーイングの基礎はモーツァルトからで、A4用紙1枚の簡単な曲にいくつかのシンプルで基礎的な要素があって、その指導を意識するとあら不思議、きちんとモーツァルトに近づいてると感激した。
あとバイオリンソナタの1番から数曲のベーレンライター楽譜を持っていて、これもシンプルで難易度の高い基礎ボーイング技術を必要とするので、機会があれば面白い。
先日2回目のデュエットをしていただいたが、2回目だからうまくいったかと言うと、全然ダメで、指導を受けながらなんとも申し訳ない気持ちになった。
音程やリズムは「ふ・つ・う」だが、パソコンの打ち込みみたいな面白くない合わせ。
釣り合ってないわけで、家に帰ってから練習して録音し直し。
いくらかはましだが、おそらくもう一歩か。
改善ポイントがだんだんに絞られているのも確かで同じことを何度も指摘されている。
※フレーズごとに縦方向と横方向を明確に出す。
※使う弓の量。サラリと。
※スラーにテヌート気味を含ませる箇所。
※無駄に移弦しないフィンガリングにする。
※フレーズの終わりの音の上方向への抜き方。
これこそ音程だしリズムの違いなのだ。
「ふ・つ・う」がイモな極東人種に退化している。
いやそんなものでは申し訳ない。
合奏の機会というのは、音楽教室やサークルなどでみなさん楽しんでおられると思う。
アドヴァンスドの先生や先輩から見れば、イモとかヘタとかユルいとか感じながら合わせているものである。
ひどい場合は本当に音程がズレたり進行から落ちたりするが、まあそれは例外論外。
わたしの場合、とてもビミョーな音程のズレが1番気持ち悪かった記憶がある。
チューナーの1目盛りのズレなんかが無性に許せない。目盛りをピクピクするあたりまでは大丈夫。
しかもそういう人は練習しないし、第一気にもしていない。
当然に先達に感謝なんてするわけもない。
自らの非を認めていないというのは、無顧の悪人でもある。
モーツァルトの顔に泥を塗る悪行三昧。
さて今度こそは、先生のモーツァルトボーイングに迫るホンモノのデュエットになるように準備しておこう。
楽器の響きが共鳴するだけで満足するならヘタ同志でもできる。
モーツァルトの響きを2本で出さなければなんの意味もない。
下手すると先生のストレスでしかない。
モーツァルト奏法はにわかごしらえ、つけやいばでは不可能だ。
とりあえず改善ポイントを応用して協奏曲、カルテットのディベルティメント3曲、アイネ・クライネ、数曲のシンフォニーをなぞって弾いてみて、感激している。
そもそもこれがまともに弾けないでバイオリンもクラシック音楽も始まらない。
若さの繊細さと柔軟性だけでは歯が立たない。
楽器そのものの透明感がせっかく劇的によくなったのだから、活かさない手はない。
シュラディークの効果も目に見えてあらわれている。
ようやくバイオリン人生はまだ始まったばかりなのである。
追記
へりくだって記事を書いているが、無能な日本人バイオリニストたちが勘違いをして、自分が神だと思い上がって考えるので、リニューアル記事を別にあげる予定である。2022年11月15日