繰り返し録音を聴くのは、良くないとされるのだが、例えば本を読んで言葉を覚える段階では、1度で全部理解できない。
それは、細部だったり構成だったりするから、何度も読むことは人によって程度は違うがよくある。
同じように良い録音を繰り返し聴いて曲を掴むことは大切な学習方法。
美しい音程は名演から覚えるべきで、調性や伴奏とのハーモニーも名演のものしか使えない。
御手本として良い奏者の録音は充分に使える。
勿論ヒラリー・ハーンのような優れたソリストのコンサートばかり行けば良いではないかという考え方もあるが、ではヒラリー・ハーンのコンサートだけに毎週毎月行けるか?といえばそうもいかない。たくさんの名演で流派や個性に惑わされてよくわからないことになることもある。
ある程度御手本は定めて学習することが重要だろう。
音の厚みの出し方、香りの出し方、ビブラートのかけ方、弓使いの妙、ポジション取りなどを、あれもそれもなんでもできるというのは、便利の良い消耗品にされるオケ奏者の無個性性に振り切れてしまう。
上手に器用に技術を身に着けることができても、音楽表現、それ以前の曲の掴みが難しい。
大人でも名演だと思うものは繰り返し聴いて楽しく学習するべきだが、子供には特に名手の名演録音を繰り返し聴いて学習するのはとてもよい方法だと思う。