お手本になる録音演奏を選んだ。
長く聴いてきたハイフェッツ、グリュミオーと近年のハーン、エーネス、バルグリー、シュタブラーヴァ各氏の素晴らしい演奏からシュタブラーヴァ氏に決めた。
練習用にはエーネスのややゆっくりの速度。
ドイツから来日したエーベルレ女史がサントリーホールで独奏したのはいつだったか、端正で美しく澄みわたったモーツァルトの5番が印象に残っているが、残念ながら音源としては持っていない。
シュタブラーヴァ氏の演奏を何度かよく聴いてみると、自分の未熟さがよくわかる。
その音の細部と流れをこれから詰めていこうという気持ちになった。
講師の先生が楽譜を見ながら聴くように言われて、やってみると発見だらけで、いかに精霊を散漫に無駄使いしていたのかと反省する。
技術不足もさることながら、ところどころ慣れない関西弁の変なアクセントやイントネーションのような不自然な演奏になっていて、恥じ入るよりほかはない。
なんとなく好きなように弾くだけでは、もともとのセンスというのはやがて損なわれる。
演奏技術は音楽のため。
お手本を聴くこと、聴く姿勢を改めて練習をしてみることにする。