FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

集合住宅マンションのバイオリンは気を遣うのが普通

ネットに出ているバイオリンの迷惑話を読んでいると、なるほど非常識とおぼしき例がたくさんあって、その解決のために、みなさん知恵をしぼっておられる。
ひとつの視点として、ただ止めさせるという強圧的な要求も稀に必要な場合はあるが、わたしはブログにたくさん書いているように、練習の内容、質を改善することや、その関連で先生を変更することを提案してきた。
苦情の過半数は、バイオリンが美しいとは言いづらい人たちに対してのものであり、うまくなる軌道にのせてしまえば、長時間弾いていた人たちの練習時間は数ヶ月程度で長くても2~3時間に落ち着く。
正常なバイオリンの取り組みを教えるほうが、改善の最短距離なのだ。
ずいぶん昔に、広い公立公園でクライスラーシチリアーノを弾いていたら、「あなたみたいなバイオリンならいいな。うちの隣の子どもはヘタでうるさくてかなわん」と言われた。
天気の良い日に年に一回くらいは屋外で弾いてもよいが、楽器はデリケートで破損する。潮風にあたるとまたおかしくなる。
さすがにバイオリンをそういう野外でやれという要求は度を越している。
深夜と長時間については、先生の指導の問題もあって、本人はただ熱心さや思い入れでやっているから、むしろ常識的な感覚に気が付くように、うまく練習方法や取り組みを誘導する指導力が重要だ。
わたしの近所への気遣いは、左手の基礎確認のシュラディークと音階にはミュートを使うことがひとつ。芸大卒のバイオリン弾きがそうしていると聞いてなるほどそれは良い知恵だと採用した。
あとのエチュードと曲の音だしだけを原則昼間帯に限定してすることにしている。
子供のころは、夜9時までと自主規制していたが、最近はそれほど毎日やらない。
音の総量を考慮すると、ミュートなしの音だしはやはり1日昼間の3時間程度が限界ギリギリだろう。
それも毎日となると周辺の在宅状況によって苦しむ人が出てくる可能性があるから、ランダムな音だしに配慮している。
平均するとおそらく1日1時間~2時間のミュートなしの音だしで、なおかつ美しい音とほどほどの演奏というところで、なんとか感情に配慮している。
著名で人徳のあった貴族の天才バイオリニストメニューインさんは、ホテルでの練習の最後にアヴェマリアを演奏して、周囲の部屋の方々にお見舞いをしていたそうだ。
文脈から想像できるとは思うが、わたしが危惧しているのは、太平洋戦争の頃の敵性音楽排除の世論と趣味のバイオリン弾きを敵視していじめるような地域性あるいは人間性の問題からくる無益な紛争トラブルである。
共存共栄のために問題解決の効果的方法と立ち位置による程よい対応をお願いしたい。
趣味のバイオリン弾きをモンスター化させる対応か正常化させる対応かどうか、今一度熟考のうえ慎重に行動することをおすすめする。
この間、同じマンションのどこかの部屋からバイオリンの音が漏れてきて、蚊の鳴くようなあまりに小さな音だったので安心した。
近所の別のマンションからは中国のニコが聞こえていたが、コロナの頃からか聞こえなくなった。
みなさんが音の風景として弦楽器を楽しむことができるおおらかな心になるように、弾き手への敵視要求だけではなく、みなさんで協力して育成していくこともまた人間の知恵である。
気が付いていない人には痛烈な指摘になるが、双方共に地域の文化レベルは人間のレベルでもあるなと思う。