FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

バイオリンの音階には練習方法がある-音階神話に酔いしれず音楽を楽しむために

初歩者やおだてあげられた中級もどきの人たちに見られる間違いは、音階練習の方法を知らないから起こる。
音階練習について、小野アンナやフレッシュの教本があることはわかるが、どう練習したらよいのか?
わたしは昔、バイオリン教師から3オクターブの長音階を習って、一弓に1音から2音、4音、8音、16音と練習するのだと習った。
なんとそれだけ。
あとは我流で練習したので、大変なことになった。
小野アンナの教本で一通り自分で練習して、器用によく正確な音程で弾いていたなと自分で感心する。客観的にそれを評価すればデタラメそのものである。三度と十度と四オクターブはたどたどしいものだった。
中年になってフレッシュの教本を入手し、なにからなにまで違うので面食らう。
どちらの教本も準備にシュラディークやセヴシックを使うべきだが、その準備なしにやっていたので、時間と労力を浪費した。
その準備の上で音階の練習方法をマスターする必要がある。
音階は絶対に大事だというキャッチフレーズは誰でも聞いたことがあるだろうけれど、具体的な練習方法をマンツーマンで教えてもらわなければ、我流では絶対に不可能だ。
そうは言っても、教本には練習方法の一部は開示されている。
それ以前に大切な定石を事細かに押さえなければ、音階練習は徒労に終わる。

音階練習の定石の例
8分音符=56くらいから始める。(フレッシュ)
タッカのリズムでも練習する。
次第に速くして練習する。
弓使いのバリエーションをたくさん。
左手の形を確認しながら。(シュラディーク等)
ポジション移動の時に音が滑らないように指は脱力して。
三度と六度は長音程と短音程を意識して識別しながら。
音階のバリエーションと調は毎日変える。
一度ゆっくり(8分音符=56~)次ははやく(8分音符=112~)弾く。
などなど。

押さえるポイントを外して百万回練習したとしても、それは練習した気分。マゾヒストの変態みたいなもの。
なぜなら弾けるようにはならないから。

きちんと講師に質問して習いながら音階を確実に弾けるようになる正しい練習をしなければならない。
どんな教本も同じで、講師から直接指導してもらいながら練習に取り組み、常に修正したり確認したりしながら、進めることが肝心。

どうしても独学が必要だという場合は、教本の指示を踏まえ、YouTubeの動画でお手本を参考にする。
しかし、動画には我流が混入しているものが乱立していて、参考にしてはならないものが多数ある。
調弦も音階も、原則的にマンツーマン、家庭・教室で習うものだから、やはり独学はおすすめしない。
毎週のように生のプロのクラシックバイオリンを聴いているなら独学の余地もありそうだが、やはり見て盗むというやり方には限界が歴然としており、クラシックバイオリンの合理性と実践力を身に付けるのは直接指導を受けなければ無理である。
バイオリン講師には、きちんと教えない人たちがたくさんいて、どの先生につくかによって、天地雲泥の差が出る。

楽しく楽器を弾き、音楽を楽しむためには、基礎を真剣に完璧に積み上げる必要があり、ほつれやつまずきを楽しむのは、クラシックバイオリンとは違うジャンルになってしまう。
基礎をやると、なにより、とにかく楽に弾けるから楽しいし、余裕ができて楽しい。
険路を裸足で恐怖を感じながら進む(地雷原の歩行のような)楽しみかたが好きなら仕方ないが、確かな足取りで余裕をもって歩くと景色を楽しむことができる。
イメージのとおりに音を発音するためには、左手の形と弓づかいの基礎をいかに楽しく覚えるかだなと思う。
先生との相性、生活状況、コンサート鑑賞やお気に入り演奏家、楽器への愛着など諸条件を整えつつ、まともに弾けるようになる練習をしたい。
大家が言うとおりだが、基礎は10分~20分単位を1日に複数回やると効果的に覚えやすいこともある。
大人も子供もどうやらまったく同じだ。
これからもフレッシュ音階を極める方向で行きたいが、エネルギーを要する箇所が残っており、楽譜ほど簡単でもないが、数年かければ、中年だと10年かければ、なんとかスラスラ弾けるようになるものだ。