FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

バイオリンの左手の習得について ほぼ全初心者が落としているツボ

音程は左手だけでは決まらない。

弓遣いでも音程は変わる。

でも左手の形が安定しなければならないのは同じなので、左手の習得について少し書いておきたい。

最短ルートで覚えるためにベストな道があるのだろうが、その研究は高度な話なのでひとまず別の専門家に任せる。

何度もシュラディークで形を整える記事を書いたので興味があれば検索していただきたいのだが、バイオリンの先生に形を修正してもらったり指摘してもらって自分1人で整えたりするのが実際的。

家で練習する曲の前にファーストポジションの音階や易しいエチュードがある。

易しい曲でも構わない。

まずはドレミファと形を整えながら練習。

このときバイオリン音程がお勧め。

ピアノやチューナーの真ん中ではなくて、純正律をバイオリン音程の正義と考えて間違いない。

なぜなら、純正律で第三音を上下させる左手の形こそが、バイオリンマスターの必須の感覚だから。

右手の弓遣いと並ぶバイオリンのコツ。

メロディをピタゴラスでとることが多いからピタゴラス音律で音階を練習するプロ奏者がいて、それは平均律に近いので、良し悪し。

易しい曲で確実に覚える手段は、一音、ニ音とチューナーで純正律を確認しながらとること。

一音がもし5セント(2目盛)もズレたらやり直す。

純正律は、長調音階の場合第三音を左のくさびに合わせて下げる。短調音階の場合第三音を右のくさびに合わせて上げる。

例えばハ長調ならミの音を下げる。

これをファーストポジション音階で完璧にできることが第一歩だ。

チューナーで音程を確認する場合、チューナーが聴き取るまで2秒ほどの時間が必要なのも重要なポイント。

初心者は、ギターのフレットをイメージすることが多いけれども、実はそのピアノ音程の音階では永久に音痴になる。

左手の形がいつまでもできない。

棹と指板に弾き手の左手がぴったりフィットするようになるためには、つまり音程がぴったり合うためには、第三音の調整が欠かせない。

少し考えればわかるが、音階12種類すべてフレットが違うということになる。

調ごとに音階ごとに左手の感覚を丸暗記する。

バイオリンをマスターした人かどうかを試験する場合の必須。

わたしはキラキラ星から耳でその音程を聴き取って調整できたが、正確な合奏の機会がなければチューナーなしでは耳だけでは不可能に近い。どうしても曖昧になって少しずつ緩慢になる。

たくさんの調のたくさんの曲を完璧な音程のオーケストラや合奏でぴったり合わせる機会はとても貴重だ。

音階練習だけではなく自然と形が整う。

音階なら、4本の弦で第一ポジションは下からソラシドレミファソラシドレミファソラシ。

ソラシが3回、ドレミファが2回出てくる。

音階ごとに2回〜3回上げたり下げたりすると、それに応じた形、角度が存在することに気が付く。

闇雲に丸暗記するよりも、シュラディーク記事を踏まえて丸暗記することをお勧めする。

最初はかなり難しく感じる。

でも焦っても音程は無惨に狂い続ける。

一生狂い続けるより、確実に完璧に形と音程を覚えるほうが心地よくバイオリンを弾くことができる。

バイオリン音程は純正律で。

完璧な音程は脳がとけるほど甘美で美しい。

ストラディバリが美しいというよりは、音程がまず美しいからストラディバリが美しいという順番。

どんな楽器でも音程を美しく弾けば曲が美しい。

平凡な楽器は正確な音程でなければ悲惨だ。

耳を作る作業は、まあまあ地道だが、形で覚えるとまぐれではない実力がつくから楽しいと思う。

このことを知らないと、大切な短い人生を無駄遣いしてしまう。

この記事の価値は無量大数だと思う。

(後記 第3音の上下の説明は不正確だったことが判明したので、別の記事で説明を修正する。純正律の説明としてはほぼ間違っていないが、バイオリン音階の説明としては間違いだった。)