FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

バイオリンにピラストロオリーブなど

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弦の種類はたくさんあるけれど、他の記事で書いたが、オリーブ、オイドクサを試す予定で半年近くの間に、取っておいた(忘れていたものが次々発見された)オリーブとオイドクサを張ってみた。
予定にはなかった予備用に買っておいた新品のA線まで発見されて、今日はADG3本オリーブを試すことになった。
1、EAラーセンイルカノーネDGオイドクサ
2、EAラーセンイルカノーネDGオリーブ
3、EラーセンオリジナルAラーセンイルカノーネDGオリーブ
4、EAラーセンイルカノーネDオイドクサGオリーブ
5、Eブロカット0・25ADGオリーブ
6、Eブロカット0・25AラーセンヴィルトゥオーゾDGオリーブ
7、EラーセンオリジナルAラーセンヴィルトゥオーゾDGオリーブ
(写真は5)

E線のタッチはラーセンのオリジナルとイルカノーネとツィガーヌが好きではあるが、ADG3本オリーブとあわせたブロカットの0・25が妙に力強く響いて意外と気に入った。
しばらくイルカノーネのA線など普通のナイロンを使うとオリーブのA線がいかに芯のある強い音なのかわかる。
少し使い込むとガット弦は素晴らしい音がする。
単純な指ならしやエチュードですら、あまりの美しさに恍惚とする。
使いはじめのバリバリいうバイトは少し丸くなり福よかで、しかも強く響く。
弦の寿命が半年はあるので、高価格ナイロンよりはるかに満足度と実用性がある。
1度講師の先生に、オリーブは使えないと言われて、至極もっともな話だと思い、いったんすべてナイロンにして、結局A線だけはナイロンにすることにしたのに、あろうことか新品のオリーブAを発見してしまった。
単純にAが安定していると使いやすくてよいので、Aにヴィルトゥオーゾを採用した。張力がオリーブのAと近いことが第一、第二にラーセン製は半年程度は余裕でもってくれる。(ピーターインフェルドも半年もつがナイロンはGの張力が大きすぎる)

バイオリンの響きの量を数字にしたとして、ガット弦はその響きの量を最大化する。ナイロンはバイオリンの音の量より大きな量を作り出す。
ナイロンだとバイオリンの音より弦の音の割合が大きくなる。
それで私は弦とバイオリンがぴったりきて自然な音量になるガット弦を使う。
弦の寿命でわかりやすいのはバイトしなくなるまでの時間ときらびやかさを失うまでの時間。
ナイロンはあっという間で、落差が大きくまさにガッカリしてしまう。
ガットはより豊潤になり十分なバイトを長く保つ。
楽器そのものがよく響くものだとナイロンは不要で、優れた歌手にマイクがいらないのと似ている。
とはいえ、A線くらいはナイロンの便利さを活用したいと思うことがある。オリーブの力強さと天稟にかけて決めたい。
オイドクサは音が宇宙的にずば抜けてよいのだが、ふにゃふにゃする張力の低さが、重音に不向きな印象。以前はそれなりに弾いていたが、ナイロンの強い張力で重音を弾いてみて、びろびろのあまりの弱さに採用見送りにした。コルダはさらに弱いので候補にならない。
弾きながら音にメロメロになるのは、オリーブでも同じである。
弓の毛を新しくすると、バイトするのがよくわかるので、あわせて音づくりするとよい。バイトを最大化するイタリア馬毛は最強。
どちらも摩耗してくると、毛をあてる角度でバイトさせるしかなくなり、減り具合によるマメなメンテナンスが必要だ。
好きな音質のナイロンはどれもとにかくいっちょ前(一人前)に高くてすぐダメになる。
結局トータルのコスパが1番で、バイオリンには最上級ガット弦だと思う。