FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

厳冬から春先のバイオリン

f:id:FujiYama:20220316232321j:plain空気はとても乾いていて、皆さんが弾きやすいと楽しめる季節。
ただガット弦にとっては温度変化が一番激しい。
弾き始めは室温のガットが、ワンクールの間に体温になっていって、安定するころに休憩に入る。
この温度変化の幅が一番大きい季節が一番調律の手間がかかるというわけだ。
弾きながら頻繁に調律することもあり、今日、A線が2ヶ所やられて交換した。
想定通り、短命なガットのA線。
2ヶ月ともたなかったがこんなことはザラ。
実に豊潤な力強い音色は惜しいが、とりあえずラーセンのヴィルトゥオーソAにした理由はオリーブAに張力が近いからだ。
少し野太い印象もあるが、まずまずの音。
数日で安定するナイロン弦は確かに優秀で助かるので、冬から春先だけ採用するのもよい。
今は、冬季ナイロン弦、春夏秋はオリーブかオイドクサAに落ち着くのではないかと考えている。
DGは通年オリーブかオイドクサ。
f:id:FujiYama:20220316232347j:plain
ペグが冬は乾燥してゆるむはずだが、木の収縮に反してかたくなり、なぜかと楽器店に質問すると、糸巻きの箱に巻いた弦が接触しているとかたくなるのだとのこと。実際に弦と箱に隙間を作ってやるとスムーズにペグが回った。
夏と変わらない回りで、ペグ調整もコンポジションも必要なかった。
梅雨時にならないとほぼ不要なのだそうだ。
滑り過ぎにはチョーク(白墨)がよいそう。

何気なく放置していると、木材の変化に気が付かず重大事故に至るので、今年は特に湿度計とにらめっこしている。
50から65%の範囲内になるようにしている。
55%前後をキープできればベストなので、加湿器などの設定ができる器機があれば安心だ。
わたしは器機に頼らず、マメに管理しているが。
f:id:FujiYama:20220316232722j:plain
弓の毛も湿度で伸縮するので、張り具合は微妙に変わっているだろうが、あまり気にならない。
年に2回以上張り替えればまったく問題ないが、長く使おうと粘ると本当はスティックに負担は大きい。
その点カーボンは気にしなくて平気だから気楽なものだ。

松ヤニを季節ごとに替えたり、二種類混ぜたりする人もいる。
繊細な方だなと感心すべきか、神経質と呆れるべきか、個人差は個性として尊重したい。
実際違いはあるわけで、替えたほうがしっくりくると言えるからこそだ。
バロックばかり弾く人とか、イタリアに住んでいるとか、それぞれの事情や守備範囲によるものは、それぞれ。
わたしは国産アルシェのアルトを中庸として現在は採用している。
いろんな松ヤニが特徴的だったが、個人的には中間的中立位置に感じるベルナルデルとアルトが好きなようだ。
わたしの場合は通年使用とやや奔放か鈍い感性。

そんな感じで、今どきの季節はカラリと響く気持ちよさと多少調律に手間のかかる時期なのかなと思っている。