FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

新作バイオリンは数年間手のかけがいがある

昨年末、魂柱調整で音が良くなって感動していたが、とうとう魂柱を新調した。

小一時間で出来上がり、その質の高さに驚く。

魂柱が短くなっていたもので調整すると、あまりにも素晴らしい繊細さがどちらかといえばかよわさになる。

調整技術力がある職人さん達なので、そこまでかよわい音にはならないが、新調して比較するとそういうことだ。

力強い、輝かしい、フワリと豊かなトーンで聴き違える出来ばえに。

ストラディバリウスと勘違い出来る楽器こそ庶民の味方、普遍的音楽表現の道具である。

 

兎に角、ギュンター・ローベ、素晴らしい楽器だとまた惚れ直す。

最高の材料のものにはどうしても劣るものの、最高音近辺の透き通って太くて繊細な輝かしい音には大感激。低音の厚みある豊かなトーンも中音の表現力も、どこをどう弾いても素晴らしい。

職人さんは楽器が安定するまでは小まめに調整するように私に奨め、新作4年目はまさに手のかけがいが最大の時。

ここからは微妙にしか木が変化しないので、大きな作り直しはあまりなさそうで費用もそこまでは心配要らない。

今回の魂柱新調で私の楽器はおそらく比較的安定期に入った。

ほとんどの廉価ローベ作品はゴリゴリドイツバイオリンの武骨さが目立つのだが、私のものはパンチも音量もあるのに軟らかく表現しやすい。

銀座で270万円で売りに出されていた年代ものの本人作の丸い豊かで繊細な響きのものと遺伝子が同じ。

実は魂柱か駒を換えると、他の武骨な一般的ガイゲンバウマイスターによるドイツバイオリンと同じになってしまうのかと多少内心ヒヤヒヤしていたが、嬉しいことにイタリアンバイオリンよろしく素晴らしい出来ばえの本人作らしい。廉価グレードではレアモノだ。

プロレベルの試奏でしか判別不能だろう。

ぼちぼち練習してレッスンで上達して、さらに名器を活かして参りたい。