フランス全土で暴動が拡がりを見せ、なかなかの華やかな映像が殺害された少年を弔っている。
いつだったか最近、フランス議会で人種差別発言が大問題になった。
フランス生まれの黒人を差別するなんてとんでもないという話題であり、フランス民族主義の深層にはいまだに皮膚の色でも差別する感覚が根強い。
アメリカの強制的に連れてこられた黒人たちに対しても根強い差別は残っているし、それは混血やメキシコ中南米からの移民に至るまでなかなかに根深い。
議会や公教育、行政機関による差別が最も重大な差別であり、その顕在化著しいのが、今回のような殺害事件である。
アメリカなら南北戦争になり、安心して暮らせる国を作るべく命がけで戦うのである。
リンカーン大統領の生家が観光地になっていて、ホストファーザーに14歳のときに連れて行って貰った。
今、フランスの移民2世3世たちが命がけで戦っている。
ひとりが殺害されたのではない。
明日は我が身で、彼らは抗議の必要性を現実に理解しているのだ。
マクロン大統領はグローバリズム側フランス民族なのであまり自覚がなく、暴動はゲームの悪影響で現実からの逃避だと発言しているが寝惚けている。
暴動に参加している人たちは、まさに現実に行われている差別に対して抗議している。
現実逃避していたのは、コンサートを楽しんでいた大統領であり、民族主義で移民を嘲り侮蔑している人たちのほうである。
ひとりの死を悼み、不当な政治権力に殺害されないように明確な意思表示をする。
それをまた公務員たちが踏みにじる。
公共施設は狙われる。
すべては道理だ。
このままいくと武装集団が出るかといえば、文化的に芸術性に配慮した花火なのだし誰も殺害しない平和的抗議である。
損害額なんて人間ひとりの生命からすればどうでもよいのだ。
暴動参加者たちは、自由平等博愛文化芸術の国の中で育った立派なフランス人なのではなかろうか?
あまりに気高く美しいお葬式だ。