ここ10年の私の不調には、いくつかの原因があり、その1つが横紋筋融解症だと気が付いた。
バイオリンを弾いていて、ある時から指に力が入らなくなり、指先で弦をほぼ掴めなくなった。弾きづらいことこの上ない。弓を持つ右手も、自分ではきちんとホールドしているつもりなのに、何度も練習中に弓を落とす。なんだろうかと訝しく思いながら、原因がわからなかった。
アップしているユーチューブの動画も不調を認めるものが多い。
バイオリンという楽器を弾いていると皆んな同じなのだが、弾き始めからすぐに完璧に弾けるのは上級者である。
手の形ができていて、付くべきところに筋肉が発達していて、それで弾き始めから弾ける。
そもそも運動不足で不調と悪循環なことが遠因なのだが、高脂血症と痛風を治療するために、スタチンとアロプリノールが処方され、非びらん性胃食道逆流症にランソプラゾールが処方されていた。
私の場合は、この3つの薬の副作用で横紋筋毒性が出て、手足の筋肉が落ちていく病気になっていた。死に至ることはまず無いが、筋肉が落ちていって、痛みを伴う。
痛風は横紋筋融解症でむしろ関節に負担がかかって関節が捻挫したように感じて痛みはじめたので、むしろ用心のために服用しないほうがマシだった。痛風の自覚症状はもともと無かったのだ。尿酸値を無理に下げる必要はなかった。処方による医者の収入も大したものではない。
高脂血症は運動不足と食べ過ぎが悪いので、1年ほどの一時期は服用もやむを得ないレベルだったが、これも大して気にしたりわざわざ薬を飲むほどではないのであって、残念なことに結果的には医者のお節介の悪弊、過剰漫然処方ということになった。
胃食道逆流症も5年以内にほとんどおさまってもはや服用する必要はない。
それらの薬が漫然と10年処方され服用するというのは、好ましくない。
バイオリンと運動が好きなのに、なぜこんなに筋肉が落ちてつかないのか、なぜ筋肉が痛むのか、血液検査で筋肉が死んだ数が異常に多いと出たのはなぜなのか、本人だけが判然としないまま10年が過ぎた。
医師は軽症と見るが自覚症状は重症ではあり、これからどこまで回復するか楽しみである。
バイオリンが下手になるのだけは、私にとって真に辛いことであり、生き甲斐の喪失は精神的に良くないのは自明だ。
日本の医療だけではないが、漫然処方と副作用で予防医療とは逆に症状を進行させてしまうケースがあとをたたない。
医師は知識として知っていても、きちんと充分な説明はしたくない。
ほんのわずかでも収入にしたほうがよいという悪意が勝つからである。
患者は薬のベネフィットをむしろ疑うべきケースのほうが多いと心得るように、多くの善意の警鐘に完全に同意するものである。