英語はどちらかといえばアクセントや抑揚を出してRをハッキリ言えるとよい程度で、それは日本語とそう変わらない。文法は日英でまったく違うが、発音はそれほど難しくない。勿論Rは覚えるコツがあるから難しく感じるのは日本語からは普通だ。
では、オランダ語の発音の何が難しいのかと言えば、たとえばアルファベットのR,G,O,Q,U,Vはまったく違うし、その違いが英語ともまったく違うところだ。
Rでは、英語では、口の中の奥を拡げて唇をアヒルにしてアと舌を巻くと、Rになるが、オランダ語はのどの奥、男性の声帯のまだ下あたりから抜く発音が多い。ルルルと舌を巻き震わせる感じで発音するとか、とにかく英語とはまったく違う。
Oだと唇をウにすぼめてオーと言えば、オランダ語特有のOになる。
Qの抜き方も特有で日本語のクとも違う。やはりQものどの奥から抜く。
Vは唇を噛まないままでヴィーと発音する。噛んでヴィーと発音しなれていると面食らうに違いない。(勿論噛んでもよいが初心者バレバレ)
Gはライオンの咆哮よろしく喉奥からガオと震わせて発音する。カタカナではハヒフヘホではなく、グハグヒグフグヘグホのほうが近い表記となる。
センテンスにリズム感が必要で、抑揚アクセントはそれほど必要なく、アメリカ英語よりはるかになだらかな中で一文字一文字の正確さが重要だ。発音を1音間違えたら、文章全体が無効化される厳しさがある。
そこはRだけ気をつける英語よりはるかに難しいかも知れない。
ちょうどフランス語とクラシック音楽が日本人に難しいのとよく似ている。
グリュミオーやティボーをよく聴いたことがある人と、ドイツ人やアメリカ出身や日本人の演奏ばかり聴いた人とでは、表現の細やかさや幅が土台違う。
義務教育の英語だけの日本人で留学していなければ、そんな違いにはまるで気が付かないのだ。
だからフランス語とオランダ語は、とてもおすすめ。学習の価値が高い。
微妙で繊細なバリエーションを日常会話で使い分けられる人と人の濃厚なやり取りを楽しめるようになりたいものだ。