FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

ロシア人がコンマスの日本のプロオーケストラのコンサートに行ってきた

せっかくの春。会場・東京オペラシティ管弦楽・東京交響楽団定期演奏会へ自転車に乗って30分。お天気も暖かい。
ちょうどフランスの大統領選挙とかフィンランドNATO問題とかロシア進攻とか世間的なたいそう深刻な騒音とは別世界別次元。
プログラムと出演者で、ロシアからの来訪者が多いフランス旅行に行ったような一時になった。屋内公園でリフレッシュしてくつろぐ感じ。
日本の地でも音楽は同じで、仏教でいう地水火風空のうち、水の精・火の精・風の精をホールの空に縦横無尽に舞わせるブランギエの指揮が素晴らしかった。
ピアニストのラヴェル音とオーケストラのラヴェル音が絶妙な共鳴をして、ピアノというのはこれほど多彩な音色が出せるものだと感心した。
やはりバイオリニストばかりに目がいくのだが、だいたいどこも同じで、からだ全体を使って弾くのはコンマスだけで、クライマックスとフォルテッシモくらいしかからだが動かない日本人バイオリニストはとても息苦しい感じがするのが玉に瑕だ。海外オーケストラのあの自然なからだの使い方ができるバイオリニストがいないのは、日本人の階級意識と精神性の問題で、そもそも日本人に音楽することが特別な許されざる行為とされていること自体不健全そのものだと思う。洋上のヨットでくつろぐ欧米人と水中で竹筒で呼吸する日本人の違いだ。日本文化の一長一短をよく知って欧米文化と掛け合わせる器用さ賢明さが必要だ。

リオネル・ブランギエ(フランス)指揮
グレブ・ニキティン(ロシア)コンサートマスター
リーズ・ドゥ・ラ・サール(フランス)ピアノ
1 エサ=ペッカ・サロネン(フィンランド)作曲ヘリックス(螺旋)
2 モーリス・ラヴェル(フランス)作曲ピアノ協奏曲
3 モーリス・ラヴェル作曲高雅で感傷的なワルツ(フランツ・シューベルト作品との絡みが聞き所)
イーゴリ・ストラヴィンスキー(ロシア)作曲バレエ組曲火の鳥」(1919年版)