FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

シュラディークの練習の経過 バイオリンの基礎から応用までの第一歩 はじめが肝心

4月8日 シュラディークの練習のポイントを習った

4月10日 バイオリンの左手の基本形(小指が難しいのはこういうこと)

の記事に続いて、12日間練習に取り組んだ経過を書いておく。

初歩者のためにもなる内容で、中級のつもりのいまひとつの人のヒントにもなる。

練習のやり方のポイントがいくつかあることを既に書いたが、それだけでは不十分なので書き足しておく。

1番の1番が基本形で01234321012343210123432101234321というもの。

指を2を置くとき1を離さない。3を置くとき1と2を離さない。4を置くとき123を離さない。

その他の25番までをひとつひとつやっていくのだが、速度は8分音符でメトロノーム60で弾き始める。そのくらいが形を確認しながら弾くことのできる速度で、それより速くなると初歩者だけでなく、中級者ですら形が崩れるから、速度をまず確認。

指番号が飛ぶ箇所で型が崩れやすいことは明らかだ。

0から2、0から3、0から4。1から3、1から4.2から4の6種類しかない。

これを解消して形を整える方法。

0から2の時、1も正しい位置(正しい音程の箇所)で同時に置く。

0から3の時、1,2も正しい位置で同時に置く。

0から4の時、1,2,3も正しい位置で同時に置く。

1から3の時、1を離さず2も正しい位置で同時に置く。

1から4の時、1を離さず2,3も正しい位置で同時に置く。

2から4の時、1,2を離さず、3も正しい位置で同時に置く。

そういう外してはならない練習のポイントがあって、これは定石なので習慣をつける。

きらきら星や初歩者のやるシンプルな音階練習でもまったく同じ定石がある。

きらきら星で下降する箇所はA線で3210と弾く。この最初の3の指を置くとき、同時に1と2を正しい位置に置く。

音階も0123と弾く場合、2を置くとき1を離さないで。3を置くとき1と2を離さないで。

43210と弾くとき、移弦と同時で4に気持ちがいってしまうのはわかるし焦るのもわかるが、4だけを置くのではなく、1234全部を正確な音程の定位置に同時に置く。そこから4を離し、3を離し、2を離し、1を離すという段取りになっている。

小指だけ置いて音程が合うことはほぼない。まぐれであり、偶然あっただけなのである。無理をしたり身をよじったりして左手の基本形は崩壊し見るも無残なぐちゃり方をするのである。

薬指だけ置いて音程が合うことはほぼない。中指だけ置いても、同じである。

これは位置移動、ポジションチェンジの際にもまったく同じである。

どれか一本の指だけで移動するのは下手になる練習で、確実に無駄な練習時間がかかるだけなので、やめるべきだ。

親指をすべらせて、4本の指が置くだけでそのまま正確な音程になっている形で移動する練習が、正しい練習である。

少し弾けば気が付くとおり、音階の調性と様々な曲で、左手の基本形は方向が変化する。しかし方向は変われど、左手の甲は定位置のままで指を置くだけでよい形には変わりない。

パールマンや芸大首席卒の荒井里桜などの動画を見ると、とてもわかりやすく左手の基本形が微動だにしていない芸術的な美しさを確認できる。https://youtu.be/-7m373HqFfk

https://youtu.be/FwkjFiUpSP4

音楽性を発揮するための基礎、基本形をどのようにして獲得し、自由自在に弾くことができるようになるかという話。

左手があやふやでは、まな板が安定しないものに包丁を入れようとするような、くらげを切るような、まともな運弓(ボーイング)は絶対にできない。

せいぜい開放弦でリズム練習や全弓の練習などしかできない。

ファーストポジションの音階練習すらできない。

このポイントを無視して何十年弾いてもずっと弾けないか下手なままであるから、大人からでもプロ並みに弾けるということと併せて、特に記事にしておく。

子供のころ、きらきら星で3を押さえて2と1を同時に押さえるように言われたような気がするが、なにしろ3歳になりたてだったので、記憶があいまいである。

ただ小学生の記憶、中学生の記憶はあって、4の小指がアーチになっていたこと、指の腹ではなくて指先の点、時には爪を使って極小のピンポイントで指を押さえていたことを思い出している。

音程は腹ではあいまいになり、二胡馬頭琴のような音色になって、西洋のクラシック音楽の美しいハーモニーは難しい。

だから小指は絶対にアーチ形で弦に載せることが必要だ。

この基本形なしにあらゆる音階練習、曲の練習は不毛な浪費に終わることを知らなければならない。

わずか12日しかやっていないのに、その効果は天文学的な飛躍をもたらしつつある。オクターブの音程が断然正確にとれるように回復し、ボーイングのブレで悩んでいた箇所が世界的ソリストみたいな(わずかに誇張しているが)冴えわたる弓さばきに激変した。驚天動地の革命と稲妻。

左手は1の指、人差し指基準ではない。

薬指、3の指が基準になる。

他の記事と併せて、ぜひ百発百中の演奏になるような正しい方向へ向かって練習していただきたい。

何万時間やっても、目標地点からはあらぬ方角へ向かってふらふらとさまよい歩くだけの人生の浪費になるようなバイオリン好きが10万人くらいいるので、あまりに気の毒である。

たったひとつの基本形を理解して覚え始めたと実感できるまでに、私は2年程度必要だったが、呑み込みの早い人ならもう少し早く覚えるだろう。

きちんと辛抱強く指導くださる講師の先生に感謝は尽きない。