FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

愛の喜び フリッツクライスラー

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何年か前に、たしか山手線の主要駅構内でコンサートをやっていたのを聴いた。
留学して実力を磨いたのもあるが、まだ幼かった頃にはホームコンサートで中国の太鼓を弾いていたなあと懐かしく聴いたまあまあ著名な実力派バイオリニスト。
なんと楽しげな愛の喜びか!
軽やかに踊りながら精緻に歌い上げるいかにも彼女らしい(女流バイオリニスト)演奏だった。

それ以来、いつか私も弾こうと思いながら、やや難しいかなと思って年月が過ぎた。
でもやっぱり弾きたい!

レッスンを受けることにした。
思い切った理由は楽器が換わったから。
高音のきらめきと華やかさが際立つバイオリンを入手して、最初の曲はこれだと決めていた節もある。
練習しながら、これだ!これ!これ!
と小躍りして弾く。
なんと楽しい曲だろう。
最初のレッスンでも二回目のレッスンでも修正がたくさん入るのだが、レベル前のものと録音して比較してみると表現力が圧倒的に増している。
レッスンの効果抜群。
二回目のレッスンのあとはもはやご披露したくなるレベルに。

演奏していて、練習していて、愛の喜びが満ち溢れ、幸せがわき上がるこの感動をなんと活字で残すアホらしさか。
他の曲の録音もどこかにアップしたくなるものもないことはないのだが、まあ伴奏をつけていない練習風景か記録みたいなものなので、アップは焦ってやらなくてもよいかなと。

曲の構成の運びを自然につなげることと、リズムの揺らしかたと、弓使いをおよそ習得できた。あとは機会があれば伴奏と合わせてみてからのお楽しみ。

テンポについて、自分がいかにのんびり気ままに構えていたか判って苦笑した。
美しいメロディーラインを堪能して進行が遅れる。
リズムを揺らしたつもりが脱線か逸脱か。
この多少の恥によって、みんな成長していくのだ。

これでようやく愛の三部作が我がレパートリーになった。
記念すべき節目である。
感慨深い中年のある秋の午後のまっさらな高い青空に。
さあまた明日も、愛の挨拶を、愛するバイオリンと交わそうか。