FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

首都圏の終電始発時間の変更は

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都心環状線 山手線


 JRの終電が37分も繰り上げになったり、始発が17分繰り下げになったりするというニュース。

 学生の頃繁華街に遊びに行ったりすると終電によって予定がずいぶん変わっていたので、たしかにラーメン一杯分、カラオケなら1時間分、予定を変更することになるでしょう。

 つまり地域経済、消費にとっては、やや痛い変更です。

 しかしどうしても必要で終電が遅かったわけで、通勤客がテレワークに切り替わり、需要の落ち込みの中で残業もあまり必要なくなった中で、終電の利用客は軒並み6割減少しているとか。90年代のように終電なのに超満員という状況ではありません。

 鉄道各社は経営効率の運賃収入だけで考えてみると苦しくなってきたと言えますが、実はこれはコロナによるものが最後の一押しだったなあと思いました。

 実に電力供給があやしかった昭和20年当時の終電は21時ごろだったそうです。それが経済成長期に一気に午前様まで猛烈にみんなが働く時代になり、そして大都市圏では終電は0時を過ぎるのが当たり前の中で、享楽的なバブル時代が訪れて、その下で私たちが学生時代を楽しんだというわけなのです。

 つまり、時代の変化そのものはコロナ以前にすでに訪れていて、もはや終電がそんなに遅い必然性が低下してきていたまさにその時にコロナが来たというわけです。

 コロナはただのきっかけに過ぎないので、もっとはやく終電は繰り上げていれば先見の明と賞賛されたかもしれません。

 もう一つこの時間変更で重要なのが、鉄道の保守点検なのだそうです。

 深夜の作業時間では作業要員がこの数十年で激減して、鉄道の維持そのものもずいぶんと危ぶまれてきていました。それが営業時短でいくぶん緩和されるそうですから、無理な深夜営業なんて見直さざるをえないシロモノになっていたわけですね。

 トータル運転士さんや車掌さんたち、駅の従業員さんたちもこれでいくらか労働条件がマシになります。

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保守点検車両

 これから遅い終電がどうしても必要だという人が減少していく流れ、きっかけができたので、本当に遅い時間まで都心や繁華街に残らなければならない人たちは、もう宿泊するという選択肢しかないようです。サウナ、カプセルホテル、ビジネスホテルと多様な宿泊先で一息つくという方法です。

 結論として首都圏の終電始発時間の変更は時代の要請であり必要な変化だということだと思います。こういう程度の変化はむしろ歓迎して適応していくことが望ましいのかなと思いました。余剰電力はあるし、あまり時短しすぎると今度は利便性がまったくないという困ったことにもなりますので。

 JRは民営化してサービスや利便性が向上したとされますが、こういった時代と利便性の折り合いの経営判断については、民営化も役に立つものだなと思いました。

 これとは別に、料金があまりとれない定員の少ないリニア新幹線にはたして公共性があるのか、民営化の弊害はあるのか、という疑問については別の記事にしたいと思います。本記事と関連して同じように人手不足と過労などで騒動になったコンビニの深夜営業は本当に必要なのかというテーマにも興味があります。