FujiYama’s blog

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コンビニの深夜営業騒動、ファミマ全株の伊藤忠取得

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コンビニ大手


 コロナの前に、コンビニの深夜営業を不服としてセブンイレブンに提訴した方がおられた。よくマスコミなども取り上げていたが、私はとても複雑だった。

 深夜のアルバイトをしてみて体調を崩したことがあったからだ。

 ファミマの深夜営業で深夜12時から早朝7時まで週に3日やってみて、思ったことは割に合わないということだった。売り上げが激減する深夜帯はなぜ店を開けているのかと言えば、昼間できない清掃や品出しをするのに都合がよいからである。ついでにお客さんが来ればよいというわけだ。郊外のファミマだったから平日の深夜は閑古鳥が鳴いていた。深夜帯に掃除や品出しといった労働をすると心臓に負担が大きい。まだ若かったが、昼間なら軽作業でさほどの苦もないようなことが、深夜爆睡しているはずの時間帯にはこたえたようだ。

 アルバイトですらそういった印象だから、店舗の責任者はなおさらわりに合わないと感じるだろう。

 実際上の気苦労というのがアルバイト管理、給料計算、売り場の商品配置から仕入れ内容に至る細部にわたる本部からの指示とその訪問および偵察対応、冷蔵庫などのレンタル費用の重圧、売り上げから差し引かれるマージンの大きさに対するもどかしさ、いつ起こるとも知れない事故や各種犯罪に対する心構えなど、心理的重圧が24時間365日降り積もって気の休まる暇もない。バイトの福利厚生は店長もちだった。

 それだけの気苦労をして、深夜にまで週何度も作業に追われて、いったいいくら儲かっても割に合うという気にはならないようだ。

 いわゆる苦労談義になってもこれは解決しないが、そもそも深夜営業があるとわかっていてセブンとフランチャイズ契約を結んでいたのであれば、それに不服があればふつう契約解除以外にはなさそうなのだが、私が冷たいのだろうか?

 少なくともタフな人間でなければ、24時間営業なんて挑戦すべきではないと思った。アルバイト虐めに走ったり、本部の目を無駄にごまかしたりするような変な経営に陥るからだ。

 わたしがお世話になった責任者の方は、商魂たくましくもタフだったので、なんでも笑って対応するプロ意識にバイトとして助けられた。防犯設備の設置や雑談対応など様々に手助けをしていただいて小売り流通のイロハをかじらせて頂いて感謝している。今は状況も変わってきているが、その当時の知識はいろいろ応用がきいて今でも懐かしむことがある。

 もし今後業界で考えられるとしたら大手で協議して一斉に商圏ランクによって営業時間を設定するなどしないと、一社だけが時短をするとは考えにくいのではないだろうか?店を閉めた分のお客が他に流れるだけだから。かつ都心部ではまず無理だろう。

 現状では深夜閉めたいというのはたんなるわがままであって契約解除の申し入れと同義であろうかと思う。タフな責任者がいなければ営業できない店舗の現場から思ったことである。

 それにしてもファミマが儲からないらしくて、気がかりだ。ヒット商品が出ないらしいが、そんなことで経営が悪化するほどのことだとは思えない。都心、オフィス街中心の出店偏向を再考したほうがよいのかもしれないが、物流効率があるから何とも言えない。規模をある程度大きくして効率をあげたかったという痕跡は認められるが効果が上がっていないようだ。伊藤忠が経営してもマージンを急激に上げるなどはできないし、冷蔵庫のレンタル費用をいじっても大きくは動かせない。ヒット商品なんて半分はばくちのようなもので、開発宣伝費用ばかりかかる。

 ここは一喜一憂しないで高品質商品と高サービスのイメージを手堅く守れるように本部がサポートするくらいがよいのではないだろうか?配当がR2年2月期で200億円できていたのだから、別に常に沈んでいるわけではないし、それほど大きく動かせるような極端な経営はしていまい。下手に動いて、さらなる客離れ、店舗のフランチャイズ離れなど起こっても仕方ない。あとあのエリアに数店舗出せば効率が上がるというような照準を絞った出店営業の仕方ももう十分にリアルタイムで分析しつくしているはずだ。みんなが嫌う経営効率一本でやる以外に儲かる道がないのだから、データとにらめっこが続くのみだろう。

 都心で客足が絶えていない深夜営業は、ふつうに便利がよくて助かると思っている人がけっこう多い。都心でたとえ賃料が高くてもますます深夜もあけておかねばもったいないような気もする。人情論はとてもよく理解できるが、店舗責任者は自分のことだけ考えていてはつとまらないようだ。