FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

ママチャリで何か文句ある?(ふと目をひらいて)

ママチャリはなぜ日本文化なのか?

 おっしゃる通りママチャリで結構です。

 楽にちょっと用事が足せます。

 一万円台から販売されていて中古なら数千円で入手できてしまいます。

 適当にそこらへんに駐輪していてもよほど放置しない限り撤収されたり盗まれたりすることもマレですから、そんなに気を遣わなくていいのがまた利点です。

 泥除けがついていて雨が降っても水が跳ねません。

 ライトがついていて夜道も乗れますし。最近はハブダイナモで軽く点灯できます。

 スタンドも標準装備でどこにでも駐輪できます。

 さて、一体なにが不満でママチャリを馬鹿にするのでしょうか?

 何か勘違いしてママチャリを馬鹿にしているのでしょうか?

 世の中には馬鹿にして見下している人が沢山おられますが、それは果たして妥当だと言えるのか?

 予算に余裕がある方は、何台も購入してデザインの違いを楽しむという乗り方もありますが、庶民はできるだけ自転車に経費をかけたくないものです。

生活圏による利用が基本のママチャリ

 世界を見渡してみると、この感覚がズレているということに気が付きます。

 ママチャリは日本文化そのものです。近場で用事が済んでしまう都市部が基本の生活を送っている人口が圧倒的に多いですね。大陸平原型文化では自家用車が一番か鉄道が一番かという感じの生活になりますが、たいていの人がだいたい10キロ圏内で用件のほとんどが済んでしまいますね。少し田舎に行っても20キロ圏内です。つまり用件を片付けるための自転車がママチャリで、移動手段としてとても優れたコスパと利便性を誇って現代に定着しているのですね。少し荷物が多い時や大型の荷物を運ぶためなら自家用車が便利ですが、これが中途半端な大きさで本当に大きな荷物は運べず、結局日常の買い物程度ができれば十分だということになり、わざわざ自家用車を所有するのは、バスや電車があまり走っていない地域に限定されて必要とされる場合です。都市部では実は自家用車はまったく必要ありません。妊産婦、足の不自由な方、足腰の弱った老人のために必要なくらいです。利便性にこだわったまったくの贅沢品です。所得にゆとりがあってメンテ費用が苦にならない家計のもとでしか利用できません。会社の経費で落ちる人が所有するパターンが未だに多いですし。

 公共交通機関がない地域で、かつ商圏の外側の地域で孤立している世帯でしか必要がない自家用車。それ以外の広範な都市部を中心とした生活エリアにおける自転車。それぞれの地域における共存。使い分け。

 先進国とはなっても自家用車は贅沢品ですから、自転車は未だに現役で、家計が厳しくなったり雇用情勢が悪化すると需要はさらに高まっています。コロナでさらに爆発的に販売が伸びているという報道もありました。

 節約型という面から通勤通学に重宝され、スポーツ用途の自転車もまた高額なものを別にすれば、節約型スポーツとしても愛好されています。ママチャリより高価なものが必要になるのは、往復で10~20キロという境界に引っかかる通勤通学や所用が頻繁にあるかどうかで決まります。贅沢になれるのは早いとよく言いますが、それより恐ろしいのは贅沢以外できないという高い所から降りられない感覚です。

まずは必要性がある範囲によって自転車の品質を選ぶことが先決です。

 実際に1段変速シティーサイクル、3段変速ママチャリ、3段変速電動自転車、21段マウンテンバイク、24段クロスバイクに乗ってみて、いろいろ試して思案していますが、毎日使う感覚と時々遠出するという感覚はまったく別です。自家用車と自転車でもありますが、毎日使うものに対するこだわり方と時折使うものに対するこだわりは当然違います。毎日履いて履きつぶす靴、ランニングシューズなど必要最低限の選び方をする際に、どこを最低限のラインに設定するかが、予算だけではない経験則によるものだと思います。ある人は500円の靴ですべて片付くと信じて疑わずに礼装以外はそれで一生を終えるのです。靴でよくわかるのは値段と品質が比例しないということなのです。

 自転車もどうやらそういった不経済がしばしば発生する商品です。

 自分の経験の範囲で合理性を判断せずに、広く耳を傾けてよく考えて判断しましょう。

 昔の人はどこへでも歩いて行ったのですが、明治以降自転車が普及して、現代ではまったく当たり前の乗り物になりましたが、それは残念ながら安いママチャリやシティサイクルが当たり前になるにとどまっています。愛好家は奇人変人と紙一重の変わり種の人たちです。

 そこでどの程度の自転車が一番合理的なカテの自転車なのかということを考察してきちんと提案することも大事なのではないかなと思った次第です。

合理的なんて人それぞれ?

 答えのあらましは先述のとおり距離と頻度で自転車を選ぶことです。しかしそれだけでは合理性としては不完全です。

 ママチャリがこれほど安定供給されて標準装備が充実していると、あまり考えない人が多いですね。別に困っていないからなと。

 ママチャリより高価で高性能な自転車にお金をかけようという発想が贅沢だからダメだという人も多いですが、靴の500円のものが例えばフニャフニャで安定性が悪くて使い勝手が悪いとか体力を消耗しすぎるとか、それなりの不便さがあるのと同じで、実際3000円ほど出して品質のしっかりした靴を選んでみたら気が付くのと同じかもしれません。逆に6,000円も2万円以上も出してつくりが安い靴だったという失敗をしたこともあります。

f:id:FujiYama:20200829182257j:plain

高級ママチャリと価格差のないロードバイク部品装備のクロスバイク

クロモリ材質は長持する

 価格は6倍もしますが、最低限(或いは適正性)というのはこの位かなという感覚になります。

 努力や根性や気合という精神面を否定するつもりはありません。精神的に強くあることは人間の生活において重要です。

ある意味邪悪な目論見、皮算用、ソロバン勘定

 しかし一生けんめい無駄な努力をして、2つか3つできる作業を1つしかできないままで一生を終えるとしたら、どうでしょうか?

 自転車はママチャリが廉価なもので1万円から3万円くらい、やや上級のブリジストンでは7万円台、税込み8万円を超えるものもあります。この幅があまりに大きいので、考えてみる価値があります。クロスバイクという高機能で価格がそれほど高くないものを比較競合させたくもなります。ルック車というクロスバイクのようなモドキに安いからといって騙されないことが重要です。ママチャリの上級車が6万も7万円以上もして、一流メーカーのクロスバイクが4万円台だということが実に衝撃的な逆転現象です。7万円台のクロスバイクはもはや高級ロードバイクと共通のカテゴリーに入るからです。

f:id:FujiYama:20200829182150j:plain

20年以上も使えるクロモリ材質でできたクロスバイク

 ママチャリでも歩くよりはましですが、快適に10キロ以上の距離を走るクロスバイクが4万円台というラインで5万円台の予算を作る価値があるのではないかとつくづく考えるようになりました。いや毎日10キロ走るというわけではありません。泥除けつきの7段変速で4万2千円、24段変速で4万7千円、20年以上使えるような24段変速でも5万2千円前後という実売価格です。かごとスタンドを付けたりすると1万円くらい余計にかかりますが、スタンドだけなら2千円くらいで済みます。泥除けがついたクロスバイクも企画され、一般に供給されています。

 大人が三輪車で漕ごうとするとなかなか前に進みません。三輪車なんて幼児が乗るものだと馬鹿にしていませんか?ママチャリはクロスバイクから見ると三輪車と大差ありません。労多くして実り少なしです。きついばかりで全然進まない。きちんとしたクロスバイクならば高級マウンテンバイクや高級ロードバイクと一般道路で速度や加速感などで立派に競争できます。しかしママチャリではどんなに頑張っても歯が立ちません。むしろ競争できるかというのは速度ではなくて、快適性のほうです。

 つまりママチャリでもケチとしての文句はありませんが、とても損をしているなあということがわかります。ママチャリで安いものはすぐに部品がダメになり、パンクしやすく、2~3年で捨てられることが多いですね。2万円前後かけて3年程度でお釈迦様になるなんて。マンションの駐輪場には錆びだらけの放置自転車がズラリ。最悪なのは10万円~18万円もして7年しかもたない電動ママチャリでしょう。10万円未満の電動自転車は廉価パーツを多用しているのですぐ壊れます。3台目の電動は最近ガラガラ言いながら走行しています。電動は漕ぎ出しや上り坂が速いように感じますが、それはまったくの錯覚にすぎません。重量がクロスバイク約10キロ、ママチャリ約20キロ、電動28キロ前後ありますので、ほとんどアシストは重量でもっていかれています。

 最近の子育て中のママは電動の人が増えましたが、昔はほとんどの母親が子供を背負って自転車に乗っていました。電動はコスト3倍もするような贅沢品です。しかも乗り捨てになる扱いです。選択肢が増えることは良いことですが、自家用車をはじめとして、家計を圧迫する乗り物が増え続けています。進化しているのか首が締まっていっているのか、実はよくわかりません。

 ちょっと5キロくらいのところまでママチャリで行ってみようとして自転車ってキツイなあという感覚を持った方も多いでしょう。

 荷物をかごに積めるからいいなと思って、実は重い荷物を積むとハンドルをとられそうになりますし。実際かごが使いづらい。変色したりすぐ曲がったりして。

 何気なく発進時によろめいて車やバイクからにらまれたり。

 上り坂で降りて歩かなければならないことがしばしば。

 そうなると自転車なんてあんまり乗りたくならない。かと言って高級自家用車はハードルが高い。軽自動車でも駐車場代は結構かかります。

 いや余計なお世話と言えばそうかもしれませんが、まさかクロスバイクではそういう苦痛がなくなるのかなあと思った方は、案ずるより産むがやすし、一度試してみることをおすすめします。

 きちんとしたクロスバイクは屋根付きの保管場所に保管しようとするものであり、部品がすぐにダメになったりさび付いたりすることが激減します。標準の部品がきちんとしています。そしてパンクしにくいタイヤが採用されています。引っ越しで駐輪場所がなくなるようなケースでなければアルミフレームで10年くらいもちますし、クロモリなら20年選手も。クロスの部品はマウンテン用が多いので軽く3万キロを走行する程度の耐久性があります。ロード用だと下手をすると1万キロでガタがくるそうです。

 日常に、ふと、ちょっと10キロ20キロ先まで足をのばしてみようという発想が生まれてきます。しかもそれがラクラクで楽しいものだったらどんなに素晴らしいでしょう。重い荷物がある場合も、かごに期待せずに横づけバックやサドルバック、リュックサックなどで車体を安定させて走行することができます。発進する時のペダルの重さ(ギア)をほどよく調整すれば、よろめきもほぼゼロ。脚力があれば、加速がスムーズであっという間に時速25キロ以上になるので、低速域は自家用車と並走できて快適です。脚力がなくてもそれなりにスムーズな加減速ができます。ギア調整に慣れれば誰でもできてしまいます。馬鹿力は必要ありません。ただ漕ぎやすいギアを選びさえすれば時速はあれよあれよとどんどん上がります。脚力はその上限を決めているだけで、ママチャリとは天地雲泥の快適な20キロから30キロ程度の平均時速ということになります。ママチャリは最初から上限が低いので、その範囲の中でゆっくり走行すると、実はかなり低速になっていて時速15キロ未満で、電動ママチャリですら迷惑走行と紙一重です。普及クロスバイクは上限がおよそ時速45キロ程度ですが、これは実際には見かけませんし公的に自転車の危険速度です。しかしそこまで出る構造になっていますから、そのぶんブレーキの効きも良いです。高級ロードバイクのブレーキと同じくらい効きます。雨の日にクロスバイクのブイブレーキの効きが悪くなることが知られていますが、それは高級車でも同じで、それでもママチャリくらいはきちんと効きます。晴天の日はガツンと効きます。ちょうどいいギアで漕げばスッと速度がノリ、危険を感じたらガツンと停止してくれる、そんな安心で快適な自転車が良いと思います。上り坂をのぼる時にスッと軽くのぼれます。軽い登り坂はさながら平地と同じです。

f:id:FujiYama:20200829182100j:plain

泥除けのついたクロスバイク

は外装7段

とらぬ狸の皮算用か、日本人の思い込みの深さか

 そんなこと言っても騙されないぞ。良いことばかりじゃああるめえ。メンテ費用が高いんじゃないのかな?という足踏みが聞こえてきます。毎日長距離走行するような人、年間4000キロ以上(毎日10キロ以上)走行するような人は多少タイヤ・チュウブ代がかさみますね。前後新調すれば1万円程度みなければなりません。近場しか乗らなければ、タイヤなんて何年も余裕で使えますから心配いりません。ブレーキやシフトのワイヤーですが、これも屋根付き保管場所ならそうそう錆びませんから、調整程度で済みます。点検調整は千円台から3千円程度。異音あるいは不都合が出てから自転車屋に駆け込みますが、その数年に一度の際に数千円から1万円程度かければ20年以上乗れるような快適で素晴らしい乗り物です。ただし、頻繁に60キロ以上のような長距離乗る人はメンテ費用はしっかり準備しましょう。特急電車で移動するような遠方にしょっちゅう使うのですから、それはそれなりにかかります。

 一般的な使用を想定して皮算用しますと、2万円のママチャリを3年間で買い替えると21年で7回ですから2×7で14万円になります。クロモリのクロスバイクだと5万2千円に3年に1回1万2千円かけるとして21年で5万2千円+1万2千×7=13万6千円になります。なにごとも計算通りにはいきませんが、街乗りメインであれば実はコスト的には大差ないんですね。

 遠方の引越の予定がなく、頭金が払えるかどうかという判断材料しかないのであれば、頭金を準備すべきではないでしょうか?迷わずクロモリクロスバイクを選ぶようにおすすめいたします。

 メンテの難しさは自転車屋選びの難しさかもしれません。多少なり当たり外れがありますからね。自転車屋さんによって仕事内容が違うというのは利用者からすると本当に困ります。そこまで考えてメンテの要るクロスバイクが選べるわけですから、ほどよい自転車屋さんの目星はつけておくとよいでしょう。修理内容をいちいち了解を得てから行うこと、工賃が高いと感じない範囲であること、きちんと時間をかけて点検調整しているかどうか、などが判断材料になります。まともな自転車屋さんでは点検調整に1週間程度の期間をみていることもあります。

 家族持ちなら1台はママチャリでとりあえず1台はクロスというのもありえます。兄弟げんかはやめましょう。

 要は、保管場所確保と必要最小限のメンテ費用をかけてあげれば、クロスバイクコスパ抜群の快適で安全な自転車です。あまりに無頓着に便利に乗れるからといって、ママチャリのまま何も考えずに人生を送っているあなた様が、大してコストのかわらない素敵で素晴らしい自転車を諦めているとか無関心でいるとかいうことが、ほんとうに惜しいことだなあと思います。逆に高級ロードバイクで浪費なさるのも惜しいですが、両極端であまり変わらない気がします。

 乳幼児を背負ってクロスバイクに乗っているオシャレで格好いいお母さんをまだ見たことがないのが、とても残念です。前に子供、後ろにリュックとかで乗っている人いないかなあ。火事場の多忙の子育て期はろくに考える暇もなく、ママチャリも仕方ないのかもしれません。かごを付けられるクロスもあるんですが・・・。

f:id:FujiYama:20200829181409j:plain

リュックサックと相性がいい快適な乗り物

日本メーカーが鍵ライトスタンド標準装備で4万円台はほどほどの設定

 私も神経を使っていますが、くれぐれも事故と盗難には気を付けましょう。