音程だから耳で聴いてとるのがまず第一であることは間違いない。
われわれの意識が変化して、聴き取る内容は変化する。
集中して、心を静めていつも聴いているとは限らない。
まず調弦する。
A=442で合わせる。音叉やピアノやチューナーの音を聴くかチューナーの針を見て合わせることができる。
次にDGを5度で合わせる。
音楽に縁遠いと、これがきれいに聴きとれるようになるまでの過程が少し必要になる。
しかしとりあえず、ほぼチューナーのとおりでよい。
次にEを合わせる。
これも耳で聴きとれるようになるまでに個人差はあるが少しかかる。
チューナーでは少し高めにとる。
おおまかに目盛3つから5つ。
さて、A線でEの音をとると少し高めになる。E線の音程にぴったり合わせるため。
そしてそのE音程はD線でも同じくぴったり合わせるためには少し高くとる。
もうひとつはA音程で、G線のAとD線のAとA線の開放弦がぴったりになるように指の間隔を感覚で覚える。
以上の間隔と感覚と聴覚が一致してくるとE線D線G線の調弦がぴったり耳でできるようになる。
それから各音階で微調整の作業開始。
不動定石となる開放弦を確定させて耳で聴きとれる段階から、音階での音程バランスを完全にしていく音楽24名山の登山開始。
少し考えるとわかるが、等比の音程間隔だけですべての音階を弾こうとしても不可能だ。
ピアノみたいにはいかないから、より美しい音程で演奏できる素晴らしい楽器だ。
ただ覚えるだけでよい。
これらの音程の微妙さを調整する方法で、なぜバイオリンのつくりから導くと題を書いたのかといえば、ハーモニックスが決めてだからだ。
開放弦で音程を確認するのもつくりと関係しているが、さらにフラオジレットでも確認できる。
ギターのフレットのような感覚イメージではなく、ハーモニックスが最も響く箇所が最適な音程の箇所だ。
ハーモニックス音階は音階の最後にあって、ほとんど使わないという人が多いけれども、それは間違いでむしろ音階の最初にやってもよいくらい。
中級程度以上の人たちが弾き始め調弦するときに、フラジオを鳴らす場面をたびたび見かける。
きちんと習った人、よい環境だった人からすると、ただの常識。
でも、途上国の一般的には、ほとんど知らないので是非ともお試しいただきたい。
やれば誰でもできる楽器なので、もしかすると楽器の中では一番簡単な楽器と言えなくもない。
以上の音程の合わせ方だと、歌を歌うようにメロディーを歌うことが容易だ。
別の機会に、「楽器の王様バイオリン」論争について決着をつける記事を書く。
音楽には恨み・羨み・怒り・復讐心などはそぐわない。