日本では歴史的円安の流れがトランプ路線で終わると騒いでいる。
しかし、私はそうとは限らないと感じている。
政府の政策で動く変動圧力というのは大きい。
しかしそれがすべての為替変動要素ではない。
もうひとつは、ハリス副大統領の有望性である。
それは単なる個人的な能力の高さではない。
今の世界とアメリカを考えたら、彼女ほどアメリカと世界のために仕事をする人はいないのではないかとさえ思う。
母がインドの聖職者階級の内分泌学学者、父がアフリカの経済学者である。
ハリスはその特権階級意識がプラスに作用する要素を持っている。
聖職者は大衆への指導能力を意味する。
インドアフリカ系というのは被差別人種、移民の気持ちがよくわかることを意味している。
ハリスは累進課税を支持し、行政監視についての意識が高く、実際にそういう仕事をしてきた。
まさに偉大なるアメリカ復活のための要素をすべて兼ね備えた人間愛あふれる有望な大統領候補であると有権者はイメージするわけだ。
移民難民を拒否する政策について、トランプはアピールしているが、バイデンもハリスも移民に一定の理解を示している。
アメリカの歴史からいえば、難民の話というよりは、公正か不正かの話だ。
難民はみんな不正だというのは、近年のヘイトスピーチの類であり、飽和状態のドイツなどの例外を除いて、難民に対応しある程度受け入れをすることは公正な地球の国家としては義務的なものだ。
まだまだ選挙の行方は予想できない段階だが、多人種多民族国家アメリカと現代の世界経済の大潮流であるインドアフリカとの関係を考慮するならば、案外アメリカの国益全体からみた有望株となるかもしれない。
そこのところは、アメリカ人の意識や感性が人気を分けていくことであるから、残念ながらわたしには決められない。
しかし投票するアメリカ人は、またとない国家再建の、社会的落伍者を再起させるような、希望と誇りに満ちた偉大なるアメリカへの歩みを選択できる機会である。
ハリスの眼目はそこにあり、初犯者の再起プログラムを実際に立ち上げたことがあるくらいで、地獄のアメリカを明るいアメリカに導くことを期待する国民が一定数いるとしても不思議ではない。
トランプで殺伐とした排除と事件だらけの荒野となったアメリカのイメージから、バイデンがよみがえらせようと経済復活の潮流を確定させた後、もう一歩アメリカに光を降り注がせるだけの大統領は誰か?
そんなことを考えるある暑い夏の日である。