もう今どきデパートに行く人たちなんていないというわけではない。
いつも夕方のデパ地下は人波で混雑している。
収益力がないわけでもない。
地方ではお客がまばらなので閉店は仕方ないが、大都市の閉店はなぜ起こるのか?
高級品を懇切丁寧に営業提供する空間が、巨大ターミナル駅近辺である必要がなくなったことが大きいのではないかと思う。
多くの人が訪れてゆったり時間をかけて単価のほどほどのものを探す場が、郊外型店舗と低価格路線のチェーン店にとってかわった。
ゆとりある人たちは外商の客で十分で、集いと和気あいあいのおもてなし空間を提供しない経済にシフトした結果だ。
デパートは中間層までの日本人文化そのものだったが、今や富裕層だけのための御用聞きに堕落した。
高利益率高収益だけを追い求め、投資と配当だけの経済にシフトすれば、たいして儲からない客を馬鹿にして追い払う流れになり、おもてなし対象から排除された中間層がデパートを後にする。
中間層はせいぜいデパ地下で賎し食いの欲求をみたすしかない。
そう、デパートはかつて一般家庭の居間や庭先と同じ生活空間だった。
この日本人のくつろぎ空間はこの数十年で一つ一つ確実に切り崩されてきた。
政府の誘導の代表は自動車産業優遇であり、その普及は駐車場整備投資を促してそのわりに客は郊外へ分散する。郊外型と中間層狙いの外資系と別業態がはやる。
外商狙いだけのデパートに店舗はいらないし外商の拠点はかなり少なくてよい。
日本中がマイカーと個人個人バラバラの家計の逼迫した消費者が大多数の経済になりゆく流れは、国会で民主党系や維新の協力のもと法整備がすすめられてのことで、憩いくつろぎが大衆から消えて現在の閉店ラッシュがある。
なんとなく時代という言葉で誤魔化しながら、明らかに政府の誘導で日本のコミュニティを大切にするよりアメリカ型の投資経済社会にシフトしている。
アベノミクスはその流れを決定的にした。
岸田氏がそこに問題意識をもっているとは思えない。
底の抜けた日本は富裕層だけが人間でありお客様であり、中間層を奴隷扱いし、下層をゴミクズとして足蹴にするようになった。
麻生氏はたびたび国民に死を求めるような問題発言を繰り返した。
すべて世界の財閥にへつらい貢ぐための社会国家づくりだ。
政府と富裕層だけを基準に、国民はみな国家のために経済のために使われる。
国民主権、基本的人権尊重、平和主義を破壊するために政府国会が富裕層に奉仕した結果だ。
富裕層主権、基本的人権無効化、戦争主義のために閣議決定、国会運営、司法判断を繰り返し、あとは増税と戦火と徴兵制復活まで一つ一つ事態は悪化する。
デパートで和気あいあいとできる御家庭がそれほどない。
新幹線でも物騒なご時世に外ではくつろげないのも自然だ。
世の中全体が無気力に収益、カネだけだとなると、警察も機能しないし、過激な治安維持法や戦闘能力の必要性を訴えるネオナチ系の議員も増えてくる。
むかし、地元の百貨店でよく親族でくつろいだが、レストランや物産展や高級品というのはそもそも大衆文化と隔絶していなかった。
うまく混在して相互の信頼度があり多様に活用ができた時代だったのだが、今の偏向した消費者の動き、社会の構図を基本的枠組みから作り直さない限り、暗黒の閉店ラッシュは止まらない。
コミュニティからの大衆排除が止まらない。
いつ暴発するかわからない数千万人を増やし続ける政府と大政党にきちんとモノが言えるまっとうな政治家が誰なのか?
カルト政党で安心安全という狂気に気が付くべきだ。
コロナの死者数を中国が非公表にしたが、日本のマスコミが報じない深刻な死者数と社会問題事案もある。
政府は米中の闇を輸入している。