FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

古いバイオリンがいい人たちの特徴

バイオリンそのものの性能は新作時のつくりとセッティングで決まる。

つくりがよくない、板の質と厚みからくる強度のバランスが悪いものは、板を削って調整しなければならず、かなりの腕が必要になる。板質が悪ければ削ることもできない。

セッティングで性能が変わるというのは、駒、魂柱、指板、ネック、ナット、ペグ、他の部品や弦の種類でかなり音量や音色は左右される。

最高の状態にして比較することが必要だ。

そのうえで、よいバイオリンなら新作も古いものも、結論から言えば表現力は変わらない。

古いバイオリンは、容易によい音色を大きく出せるイメージがあるので、それなら古いほうがよいと思うのも筋だ。

しかしひろがりのある音の響きは、実は発音や擦りかたの技術が別に必要なだけで、言ってしまえばホール慣れ。

古いと雰囲気のある音色が出せると思うのも、そのイメージで弾くとそういう音がするだけで、音楽性がある人たちが弾けば新作でも雰囲気のある音色は出る。

だから欧米ではプロや音大生に新作を使う人たちが多い。

本質は奏者の人間性からくる音楽性であり、オケもソロもみんな正味の音楽で勝負しているから、新作でも評価される世界がある。

日本人と富裕層は、骨董的価値とステイタスを求め、特権階級意識を洗脳し宣伝するために、オールドバイオリンだけを評価し認める虐殺文化である。

そこのところを弁えて、古いバイオリンの価値の正味が、ただもともとよいバイオリンの馴染みがよいことと、師弟子の痕跡を辿れる期間にあることくらいだと理解するとよい。

中古車市場とまったく同じで、怨霊や非業の死、不正取引や盗みとの関わりは普通ノーマルなら避ける。

みなさんを不幸に誘導する古いバイオリン絶対論には注意して欲しい。

イメージどおりに音を創れない人たちは古いバイオリンがどうしても必要なわけで、言い方は厳しいが才能がないのだ。