FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

バイオリンで疲れなくなる?

あるバイオリン講師、自称ミュージシャンはバイオリンは疲れないと言っていて、その意味合いをわたしなりに考えてみた。

わたしは現在進行形の生徒であり、レッスン受講歴は12年をこえたところである。

途中、家庭内の重病者や受験や社会人としての都合などでブランクが長過ぎて、一般的な参考にならない部分は差し引いていただきたい。

千住真理子さんはレッスンから帰宅して玄関で倒れてそのままダウンすることがあったとか。

諏訪内さんは10時間ごえの練習をしていたとのこと。

プロオケ(日本の情報)では合わせ時間は1日4時間を下回るところなんてない。

バイオリンという楽器は立って弾いたり座って弾いたりするが、中年以降は座って弾く技能が要る。メニューインが言ったとおり疲れるからである。

もちろん講師はそれが言いたいわけではない。

疲れないということと、楽しい或いは余裕があるということは重複している。

気力体力があるほうが、やはり楽しく余裕があるから、より疲れない。

基礎体力の問題によって疲れやすい人はたくさんいる。

つまり乾布摩擦とか持久走とかに挑戦して体力づくりをすれば、バイオリンは楽しく弾ける。

次に、音の質を高めると疲れない。

上手くなればなるほど、まともに弾けるようになればなるほど、疲れない。

集中して音程の精度を高め、訓練してリズムの精度を高め、経験して時代奏法や作曲家の奏法をおぼえることで、疲れないように進化する。

新品の革靴は最初はすぐ痛くなり疲れるが、馴染んで足とぴったりくると実に長時間快適になるように、どこまで楽器と自分の耳がフィットするか?

サクサク感にスッキリしていて疲労感はおぼえない。

さらに、共演者や伴奏のレベルが加わって、楽しく余裕で弾けるならば、よりいっそう、それほど疲れないものになる。

残念ながら、わたしはまだその詰めが完了していないので、微妙な学生コンクールレベルでしかお仕事になったことはない。

それでもそういう違いはあるなと思う。

講師は有名音大卒業生ではあるが、業界の階級的平凡さもあわせ持つ方なので、なんとも言えないが、肩当てが要らない奏者として熟練者であることは間違いない。

構えが綺麗なら疲れないという場合、フィンガリングもボーイングもほぼ完璧だという意味で、身体全体が自然な脱力をして、かつ演奏者としてのノウハウもあれば、疲れないだろう。

熟練者たちに扁平足はいないと思うが、弾きながら軽やかに踊る感じ。

構えは決して固定するものではない。

それだけ上手な人でも、急に慣れない知らないアニソンやれとかハチャトリアンのコンチェルトをウィーンフィルソリストやれとかふられると疲れるのではないかと思う。

急に身障者になったら、心境が変わったり体幹がずれたりして、しばらくは疲れるだろう。

つまり平均的な能力で通常の器楽演奏教育を受ければ、だいたい1日5時間前後音を出してもケロリとしたものである。

どうしても音の精度だけは日々集中して再確認が必要だが、疲れるとしたら原因が必ずあって、講師に教えてもらうのが1番だ。

疲れるあなたには、飛躍のチャンスが待っている。

誰もがそうであっただけのこと。

本番前に控え室で目を閉じ、疲れたら深く眠るのがバイオリン弾き。

集中のレベルをあげることと同じことでもある。

冴えていればそのぶん眠りも深くなる。

同じ短い人生なのだから、より良い方向へ進みたい。