FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

バイオリン弾きの成長はありきたり

芸大のバイオリン弾きK女史が、母校の後輩に寄せるインタビューでいろんなことを言っていたのがとてもおもしろかった。
違う考え方や感性の人たちが集まって音楽を作っていくことの楽しさを理解しつつあるというもの。
関西フィルのある主婦バイオリン弾きH女史も26年前に学生のわたしが聞き取りをさせていただいた折、ほとんど同じことを言っていた。
社会人アマオケの団長K氏はわたしが中学生のとき「合うわけなんかない。それでも今日も合わせることをやってみよう。」(趣意)と達観している。
法相宗の教えでは、1つの物事に対する反応が人それぞれ違うことが示される。
天台宗日蓮宗の教えでは、一念三千と具体的に反応の分類数と違いを明示している。
あたりまえに異なる人間がひとつの共通項を見出だし妥協点を探る。
同じ門下や兄弟でやると恐ろしいほどぴったり合うものを、それだけでは成長しないし、新鮮さが損なわれるし、仕事として成立するのは限られるし、いろんな理由でいろんな人たちと合わせる。
往還できるのがとても幸せなことだとわかる。
お里がえりして、息抜きと合う呼吸でリラックスする一時はほんとうに大切だ。
やはり芸大のバイオリン弾きA女史が、スイスに単身留学して、少し食べ過ぎると言う。
わたしも単身の学生時代食べ過ぎて2年で5キロ肥えた。
みんなそういうもの。
わたしには還って合わせる機会はないが、記憶しているものが鮮明なのでかえって幸せかもしれない。
芸大のバイオリン弾きA女史が、ローマでティラミスに感動していたが、日本の商売がどれだけ見せかけ倒しのボッタクリかと明言しないまでも、ローマのレストランのティラミスの質の高さを感動して語ると間接的にそういう意味にもなる。
わたしが唯一母のよい想い出があるとしたら、手作りのお菓子をたらふく食べたことかもしれない。
ローマにも銀座にもその頃は行ったことはなかったが、ホンモノ志向は子ども心に届いた。
パンプキンケーキ、アップルパイ、シュークリーム、チョコレートケーキ、ケーキ、プリン、オレンジムース、全部三温糖・国
産小麦粉・低温殺菌牛乳・有精卵など天然100%の材料の濃厚な味を満腹に堪能した。
生クリームを撹拌するのを手伝い、溶かしたチョコレートを焼いたスポンジケーキに塗り、飾りの砂糖菓子をのせ、シナモンの香りにめまいがし、焼いたシューにできたてのまだ温かいクリームを挟み込み、、、。
リンゴといちごを大量に入手してジャムを作るのもよき。
カルトはそんな幸せな日常をすべて破壊した。
バイオリン弾きとしては、先に社会人の楽しみ方を学んではいたが、過酷でオリジナル過ぎな教育過程を歩むこととなる。
マチュアがほとんどみんな病気にしか見えない。
みなさんただ過酷な日常のせいなのだが、痛々しくて一般的なアマチュアの中で楽しめない。
自己の成長の変則的な難しさと取り組む日々である。
きっぱりわが道を楽しく歩むだけでよいともまだまだ言いきれず、先生の指導を道標にまた一里塚を目指して頑張ろうと思う。
カルトが1番危険なのは、師弟子を間違えることからくる狂いに尽きる。
そこからすべてがおかしくなる。
まっとうにありきたりに成長できることのありがたさをしみじみと感じる今日この頃。
みなさんのご多幸を祈るばかりである。