FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

お兄さま或はおじさんの右肩上がりのバイオリン技能習得 クロイツェル15~22番

前回はモーツァルトボーイング技術について記事を書いたが、この技術を完成させるのは実際少し手間暇かかる。
左手の形とクロイツェルエチュードのトリルの完成は88点くらいまで到達したので、今日はそのことを少し参考記事に。
エチュードのうちごくわずかな曲が88点だからといって別段驚くほどではないが、少し楽しいものだ。

15番16番17番と各バリエーション同じ回数のトリルを均等に弾く。(17番の最後は重音音程が地味に難しい)
重度のアルコール中毒からの合併症で手が震えているのとは違って、指先を完全に統制して弾く。
美しい5連符、6連符、8連符。
音の明晰さ大きさとリズムの両方を均等に出す練習。
いろんな速度でやるが、確実に弾ける速度から。
だいたい小指の音がショボショボ小さくなったり、無理矢理手首から動かしてトリルしたり、第一段階は悲惨さの極みから始まることが多い。

基礎がない人が22番まで懸命に練習するのは危険なのでやめておいたほうがよい。
たぶん腱鞘炎になるはず。
わたしの場合、うまくいく時といかない時、うまくいく箇所とうまくいかない箇所、というのが発生する段階があり、これはコツの問題だとわかっていたので、頑張って努力なんてハナからやらない。
それにしてもコツを掴めずに憂鬱気味。
8曲のレッスンの間、毎回同じことを指摘され続け、つかめていないコツだから先生の前では見事無惨な醜態を晒して、うなだれながら気を取り直そうとつとめる月日。
どの指を使っても同じ音質、音色、音量でリズムも均等に出すという目標と掛け声はすぐに暗記したのだが。

何を思ったか、ずっと気になっていたシュラディークを詳しく指導くださる先生の門を再び叩く。
すべてはシュラディークからだなと思い知る年月を重ね、その上トリルがまともにできない頃のこと。
まさかシュラディークでトリルができるようになるとは思わない人もいるだろうし、わたしもここまで効果がてきめんに出るなんて思っていなかった。
22番でさすがに先生にキツくお言葉を頂戴して、もうトリルなど難しいものなのだと諦めていた。
たとえば、22番は速度88で弾きたい。アメリカのプロオケ奏者でバイオリン講師がお手本で弾いている速度だ。
速度72でもかなり厳しく時折ミスする。
わたしの場合、一回の通しで二回ミスするのは不合格。
時折というのは不合格。ダメ。
66なら一回までのミスで弾ける。

シュラディークの再確認は4月はじめのことで、7月はじめの今日は速度88でノーミス。
なんというかミスする気がしない。
こんなものをどうやったらミスするのか?
21番も速度72(8分音符=216)でも問題なし。
以前なら絶対不可能な速度だ。
18番19番の符点リズムを覚えてトリルを綺麗に出すのは難易度ほどほどだが、丁寧にやれば不可能ではない。
様々なトリルの場面において、小指で中指薬指と同じ音質を出せるようになる。
トリルの場合の脱力というコツは、人差し指と親指を握らないことで、シュラディークについての記事に書いてあるとおり、指を指板に垂直に中指薬指小指の三本が自由に動く左手の形を作ることが1番。
わたしも最初は中指を指板に垂直に置くなんてあり得ないと思ったが今は快適に垂直置き志向。
もうクロイツェルのどのトリル練習曲でもプロの先生と同じように弾ける。
88点という自己採点は、弾きながら身体に力が入ってリラックスして弾けていない減点10点、トリルの音程調整のバリエーションを網羅していない減点2点が理由。
まだまだ良くなるなと、楽に弾けるようにもっと練習できれば更に楽しい。
わたしは今年48歳になるから、慌てなくても基礎さえきちんとマメにやれば、中年のくたびれたお兄さま或はおじさんが飛躍的な上達をする可能性はあるのだろう。
一回10分の練習でも充分。
だけど頑張ったり努力したりしても出来るようにはならない。
芸高のピアノ科講師の先生が言うとおり、ポイントをたくさん覚えてそれらを総合的に駆使して音楽表現は成り立っている。
長時間やればよいとか熱心にやればよいとかいうわけではない。
10分前後1つのことを意識して練習する1単位を1日に何単位から何十単位やって、曲を楽しむ準備をする。
その積み上げは途方もない山みたいな課題の大きさにも見えるけど、千里の道も一歩から。
1つ踏み外せば事故や怪我に。
安全運転で確実に進めるしかない。