FujiYama’s blog

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ある日本代表企業の浮沈 はたらく人のことを考えているか?製品を使う人の心を考えているか?

f:id:FujiYama:20211214192435j:plainパナソニック、伝統の家電事業を刷新…開発期間半減へ新チーム」という記事をみつけたので一言だけ。
2021/12/13 18:50

 パナソニックが基幹事業である家電のてこ入れに乗り出した。迅速な製品開発のため新チームを結成したほか、一般客向け定額レンタルなどのサービス拡充を図り、改革を進めている。

パナソニック本社(大阪府門真市
 家電事業では10月、洗濯機やレンジなど9製品群での商品開発体制を刷新した。商品開発や生産、営業などを横断的に手がける十数人のチームをつくり、1~2年かかっていた開発期間を半減させる。特徴的な製品の開発や、コスト削減にもつなげる狙いだ。


 家電を利用したサービスの強化も図っている。6月には、トースターなどの調理家電を貸し出し、食材を毎月届けるサービスを始めた。利用者が計画の3倍で推移するなど好調で、2024年度にこれらの食関連サービス事業の売上高20億円を目指す。

 ネット接続型の家電を利用して、エアコンのフィルターなど消耗品の配達や修理を引き受ける有料サービスも10月に始めた。「商品販売に比べ、利益が4~5倍大きい」(幹部)というサービス事業を安定した収益源としたい考えだ。

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こういう記事がパナソニックの発表によって出されて、経営方針とか経営戦略についてとやかく言っても、別になんの得にもならないと思う人も多いだろう。
しかし、日本メーカーとしてのものについては、損得がとてもあると思う。
コロナ以後の日本の経済はじり貧から下降線をたどることになる。
政府が悪いのだが、衰退局面に突入する。
高機能商品の生産能力がかなり高い日本の製造業は、家電など圧倒的な生産販売流通が可能であるが、購買力が今後さらに低下する。
いくらよいものを作っても欧州勢の高品質とは基本が違うから、高く評価されないなら、高いから売れるわけでないなら、目先を次々と変えて販売収益を増やそうという戦略に出たらしいが、新製品はデザインとか目玉機能とかいうまったく製品価値とは違うところで新発売だけで売れるという読みである。気分転換に家電を買い換えられるのは、高所得層のみであって、そんなに変わらないものを次々買うなんて予想をするのは、いったいなぜなのか不明である。よほど目先に騙される日本人だとバカにしているとしか思えない。
ひとつ予想できるのは、型落ち商品の安売りが増えることで、型落ちが早く発生するのは、安売り商品の絶対数が増えることである。これは所得水準の低い消費者にはありがたいが、企業としては実に愚かしい。
売店含む企業の利益率を下げる効果がある。期間を短くして企画開発するということは、労働者はいそがしくなるので、よい商品になるわけではなく、うけがよさそうなキャッチに走る。購買者はそんなに次々と買うわけがない。工場の生産ラインの変更の負担が増える。
おそらく利益率を上げようとして、下がるだけに終わるのではないかと心配している。
製品開発より製品ラインナップを改編するだけで事足りる技術生産事情がまず先にある。
目新しいもので勝負するよりは、成功している顧客サービスの微調整と海外市場への売り込みがより堅実で利益率を上げるための、消費者からの信用アップになるのではないかと思う。
かつ開発等の労働者に対する処遇を充実させるための効率的横断チームになるか、ただ多忙を極めるだけの煩雑多部門チームになるか、そのあたりをきちんとできるかどうか不透明であり、ただの発破かけに早くやれと上から怒鳴っただけみたいな最悪のシナリオにならぬように願う。
日本人から見た場合には、おそらくそういう見方が多いのではないかと思う。
利益率が高いほうがよいのは株主で、売上を決める消費者は利益率が低いメーカーの製品を選んでいることも多い。強引に売上や利益率をあげようとして足下をすくわれるような気がする。購買者が高額な海外勢に流れているのも、日本メーカーに信用がないからだ。
中途半端なものをデコレーションしているだけの日本製はもう見抜かれていて、さらにそれを目先をかえて、、、。ね。
今ある技術と生産ノウハウを保存して市場拡大を狙うためには、今までどおりの開発期間かそれ以上の期間が必要だ。欧州勢に対抗するためにも賢明なのは、買う側からの信用、信頼を第一にすることだ。
売上、経営規模あっての開発人材であり、製品のデコレーションは派生的副産物に過ぎない。製品で勝負するつもりがない開き直ったメーカーになると魅力も価値も下げることになる。
政治も二流ならメーカーも二流なのである。