FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

バイオリンの重さと表現の幅 名器の条件

437・8g
あるブログに紹介されていた6台の名器ガダニーニの平均総重量です。(肩当てなしフィッティングあり)

ガルネリは表板に厚みはありますがやはり400g台前半のものが多いそうです。

私の最初のモダンフレンチのはしくれは470gありました。削りが中途半端で裏表の両方ともまだ削り残しがあったようで、響きがなくてそばなりしかしませんでした。かつ音の立ち上がりが悪い。繊細さを褒めても、鳴らない。
名器には程遠い。

近年私が間に合わせに使ってきたノンブランド楽器はなんと497gもありました。パッと見ても最初のものと大差ない削りの中途半端さが際立つものでした。

粗削りの響きの悪い楽器はだいたい重たくて指先が雑なタッチになり、気を付けないとヘタになります。若いうちは感性がみずみずしいので、元気でカバーできても、中年になるとごまかしすらきかなくなります。
アーティキュレーションができなくなります。
軽い弓や繊細な弓が使えません。
良い音だけで選ぶとそんなものです。

先月、私のもとへ来た楽器は423g。
名器たちの重さとほぼ同じ重さです。
表板の厚みは2,5㎜ほどとストラド並みに攻めてますが、本当にストラドみたいなふんわり柔らかな響き方でしかも強い音が出せます。底なりの仕方もよく似ていて、強くカラッと響きます。
指板の上で指先が微妙で繊細に統制しやすい。弓を丁寧に載せやすい。弾きはじめ、立ち上がりに気を集めやすい。
音の密度が上質でいつまでも弾いていたくなる。

欲を言えば、あご当てとテールピースは柘植に換えてもよいのですが、紫壇でも充分柔らかく快適です。もし換えるならテールガットもナイロンより音の良いものにしたいです。
弦はイルカノーネが標準装備でフィッティングされていましたが、長くオイドクサセットを使ってきたオリーブファンから見て、これはなかなかよいナイロンです。特にEAは柔らかな感触でなおかつ繊細で強い表現ができます。
DGが張力が高く、特にGはキツいくらいだが、強く明瞭な音の魅力もあります。
イルカノーネにオイドクサGとオリーブのDGを組み合わせてどんな音と操作性になるか順次試してみたくなりました。
イルカノーネのDGは左手の指先が慣れないレベルでキツキツなのです。
f:id:FujiYama:20210904024221j:plain肩当ては改めて試してマッハワンに落ち着きそうです。クン、フォムのプラスチックはなんだかさみしく、ブラボーその他試してみてそうなりました。ビバラにも良い響きのものがあります。ちなみにマッハワンが45gありました。これ以上軽量化する意味はほぼありません。マッハワンは発音、音質、音量すべてすばらしい肩当てです。
それからイタリア産馬毛の弓毛を採用すれば表現力が飛躍的に上がります。現在までほぼモンゴル馬毛しか使用していないのですが、それは効果がない楽器だったからで、これからは違います。
楽器そのものの表現力が優れているので、チューンアップの可能性、ポテンシャルがすごく、将来どこまで成長するか楽しみです。

カローラで日本一周とか疲れることはしないほうが良いです。なにせ疲れるに決まっています。スターレットをいくら改造してもコストが高いだけで疲労感がすごいのは同じです。
クラウンやGTRの各種部品を交換して長距離運転すると本当に楽しくドライブできます。
精神衛生上、名器を使うしかないです。
無駄な疲労やこわばりなどの諸症状が時間とともに改善されていきます。
バイオリンは身体の一部として使えるものでなければ、健康に悪いのです。
多少高価ですが、せいぜい20万キロしか走れない高級車ほど無駄な買い物はなく、平均健康寿命を想定してみると実用品のバイオリンの新作f:id:FujiYama:20210904024131j:plain名器は安い買い物です。