我々は選挙で政府をコントロールすることができる。これが国民主権の基本構造だ。
しかしグローバリズムやグローバル企業が主役になった現在、どんなに選挙で議員を選んでも、政府はグローバル企業のためにしか動かなくなってしまった。
EUから英国が離脱したが、これは英国の主権がなくなったからである。
EUという地域グローバリズムの結果、各国はたいへんなことになっている。通貨がユーロだから自由に国債が発行できず、経済政策が打てない。不景気に規制緩和しかできない。フランスのオランド大統領が金融業界と闘うと勇ましいことを言っていたが、実際には大企業優遇になり支持率が下がった。
各国の憲法がいかに国民の幸福をうたっても、グローバリズムの波に呑まれると、国民の幸福より企業の利益を優先する仕組みになっているのが問題である。
不景気で失業者が増えたら、二つの方策しかない。一つは国債を発行して仕事をつくる。もう一つは規制緩和して賃金を下げる。
幸い日本には国債を発行する余地がたんまりある。これを意図的に国債発行を抑制して賃下げばかりしているのが我が日本のグローバル政府である。
残念ながら今の政府では日本沈没確定である。みんなが貧しくなる仕組みとしてのグローバリズムを採用しているために、できることは賃下げのみである。国際競争力をつけるためという決め台詞殺し文句で大抵の人たちはコロッと騙される。
大企業、グローバル企業は笑いが止まらない。儲かって儲かって仕方がない。みんな安く使えるしあがりはみんな懐に入れられる。租税回避ばかりやっている。
この原因であるが、日本政府官僚を日本人が選んでいないことが主因であろう。
日本では議員しか選べない。そして国会議員はグローバル企業のお友達や支援者なのである。
これでは政府がグローバリズムにやられて洗脳されている状況に修正を効かせられない。
最近グローバリズムにやられないで、きちんと国益のために、日本国民のために仕事をしたいという政党ができた。れいわ新撰組である。
左寄りの訳のわからん政策はあるものの、いままでのグローバリズム信仰の信者たちよりはマシな経済政策を打つことができるだろう。
国民民主党というのも経済政策は一応解っている。
国際化というのは、地理に根差した各国地域の特性、人的文化的交流こそがすばらしいのであって、各国の国民の幸福を奪うために使ってはならない。
グローバリズムに反対することは鎖国とは違うのだ。
各国の国民の幸福を第一にしなければ、ユーロも国連もその支持を失ってしまうに決まっている。
それこそが地球的規模のカオスであり、無秩序が生み出す数十億の不幸であるといえよう。
なんとなく異国情緒にひたる幸せも理解できるが、現在の現実問題として、まず日本人だけでも幸福になるべきではなかろうか?まず日本人が日本人全員の幸福を追及するべきではなかろうか?と思う。
バイオリンが好きな一人として、世界各国の特性はその幸福とともに温存するべきではないかと強く思う。地域のよさや異国情緒を伝えてくれる名曲がたくさんあるけれど、その芸術家たちの魂や再現演奏家たちの努力をグローバリストたちやナウいつもりのインターナショナル論者たちに悪用され続けるのはいたたまれないのだ。