バッハがこの曲を作ったとき、これほどまでに世界中で親しまれるとは思っていなかったのではなかろうかと思う。しかし同時に別の銀河系太陽系の惑星では支持されると確信していたことだろう。そうなると単なる世界観の違いにすぎない。
明るくてはきはきとしていてしかも深みをもった味わいが
あるのは、このパルティータの素晴らしいところだが、特にプレリュードは素晴らしい。
数十年前に課題になって少しばかり練習したらそこそこ弾けてしまったので、油断して弾けるものだと思い込んでいた。ひょんなことで40代に入ってこの曲でレッスンを受けたところ、ぜんぜんまだできていないことに気が付かされた。ボーイングをきちんとした発音に変えてからというもの左手まで変えなければならなくなった。出てくる音が明晰できらびやかなものが良いに決まっている。それからしばらく悪戦苦闘しているところだ。
まあまあの出来になってきたが、まだ自信を持つほどではない。しかしこれを指導のとおり改良したバージョンできちんと弾けたら、世界中どこへ行ってもお友達がたくさんいること間違いなしで楽しい気持ちにならなくもない。このプレリュードのあとに続く曲たちも併せてなんとかまともに弾けるようになりたい。バッハの無伴奏の中では一番難易度が低い無伴奏曲である。