FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

トランプ大統領の功罪 バイデン氏優勢の報道に見え隠れするもの

  最近トランプ大統領コロナウイルスに感染してニュースになっていたが、とにかくマスクを嫌う方のようで、アジア蔑視があるのかもしれない。

 コロナ危機はだいたい中国の研究所が発生源であるにもかかわらず、その責任を問われるのがアメリカの大統領であるというのは気の毒な話である。

 しかしなにを考えているのかわからない大統領だった。

 日本と同盟関係を重視するかと思えば北朝鮮の指導者と会談を繰り返し、バイデン候補に付け入る余地を与えるという意味不明さ。爆撃機もグアムに帰ってしまった。

 北朝鮮のならず者がミサイルをぶっぱなししていたのが最近少し控えめになっているようだが、危険な軍備を温存し発展させようとしている動きが報じられている。核廃絶には程遠い状況である。

 アメリカの官僚はそれほどまでに軍備を拡張するつもりはないようだが、それに対して最強のアメリカ軍を作ると言ってみたり、なにがやりたいのか本心がつかみにくい。

 そして株価を高値で維持すると宣言していることは、貧困対策や移民の活用についてはあまり得意ではないことを示している。バイデン候補が社会保障論者であることは有名なので、敵に道を譲るような主張をしてでも政策の差別化をはかっているのかもしれない。

 日本の総理大臣が基本的に株価優先でF35大量購入と軍備拡張をしてきたから、ちょうどトランプ大統領も同じような路線だったわけだ。

 総理大臣は健康問題で引退したが、トランプ大統領は同じ路線で突っ切りたい考えのようだ。

 これをアメリカ国民がはたして支持するのかどうか?

 まさかトランプ氏が当選するとは思っていなかったから、その発言や政策とともに目を回したが、ここらで交代して舵を左に急旋回するのも、むしろアメリカ国民と同盟国にとっては安心感があるのではないかと私は感じている。

 しかしトランプという人物は、実業家だけあって、私利私欲も同時に満たすところがチャーミングでもあり、眉唾なところでもある。そのせいか女性支持者が離れているそうである。政治の公共性と女性の特質は一定部分共通している。

 なにより驚いたのが北朝鮮との友好の態度だった。韓国までそのうち明け渡す気ではなかろうかと本気でみんなが心配しているが故なきことではない。

 いずれにしても真意の測りがたい大統領だったことは間違いない。突飛な発言が多くてずいぶん面白かったが、現代アメリカの民意や趨勢が読み切れていたかどうかは任期が一期で随分疑問が残る。華々しい政治家として物議を醸した方だが、いくぶん高齢だからせめてこれからも健康であってほしいものだ。

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超大国グレイトアメリカの夢は?

 それにしても、トランプ氏は朝鮮半島を北の思い通りにさせるという方法以外に平和的な朝鮮戦争終結の方法がないと考えていたのだろうか?その方法では、さらなる東アジアの不安定化、特に同盟国台湾や日本の経済と日常生活の不安定化を増大するとは考えていなかったのだろうか。北朝鮮を追い詰めないことによる安定化が勝ると考えていたようである。ある意味賢明な考察に基づいているが、しかし、北と中共を増大させてしまっては元も子もない。強いアメリカ軍を整備するという主張と相矛盾する。バイデンならきちんと核施設を破壊してくれるかと言えば、これは戦況がどう転ぶかわからないからにわかにもろ手を挙げて賛成とまでは言えないが、正論と正攻法はどちらかと言えばバイデン候補のほうであり、トランプ氏は奇策で時間稼ぎをしただけに終わっているように見える。単なるイデオロギーの問題ではなくて国際経済競争を継続していくにあたって、奇策でどれだけ国益を守れるかという命題が、その判断材料になるであろう。ファーウェイ制裁も同じ視点で、結局アメリカ企業と国益と両方とも守れないとなると、失策とされても致し方ない。そういったところもやはり政治のプロというより気さくな実業家としての魅力の方が勝っているのかなと思ったところである。

 二期目になると今までの奇策はいろいろな意味合いをもって世界の変革につながることもあるだろうが、一期だけであれば、ただのパフォーマンスどまりでなんだか中途半端で心残りな印象になってしまうことは否めない。結局なにがしたいのかよくわからないままに。環太平洋の経済協定TPPもトランプ氏の拒否によって難航しただけに終わっている。