FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

教室は生徒のためのものか?先生のためのものか?伸び悩んだら考える

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純情な音楽ファンの心


 ある一定のバイオリン教室において、レッスンは講師のためにある。生徒さんはカモでしかない。趣味のバイオリンが特に狙われやすいのだ。

 以前クラシックの楽譜について記事を書いたが、この楽譜のとおりの指使いでまず練習しておいて、先生にところどころ修正してもらいながら、ベストな指使いを決定していくという作業がある。そこでわかるのが、生徒が上達するように導く先生と生徒が下手なままでよいという指使いを教える先生の違いである。

 わざわざ熟練のバイオリニストが書き込んだ楽譜の指使いを高度であるとして、排除してしまってやさしい指使いならできるだろうという安易な指導をする先生の場合、生徒は上達しない。やさしい指使いではロクに練習もしないから当然なのだ。

 少し難しい、なんじゃこりゃという驚きがあるものを練習すると、どうしたことだという驚きのレベルの上達を遂げることができるのである。

 幼児教育の先生で著名な先生は、子供たちにひたすら難曲を弾かせる。プロじゃなければ弾けないだろうという曲をどんどん約2週間ごとに与え続ける。ヴィニアフスキ、サラサーテサンサーンスと矢継ぎ早であるが、これが一番上達が早いのである。ま、賛否両論なところがあって、基礎練習を疎かにするとかえって悪いこともあるのだが、とにもかくにも難しいことに挑戦し続けると成長は速いし、目に見えて成長する。

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難曲をものともせずに弾き切る小学生たち

 それは生徒を信頼して出来ると決めているから出来るのである。

 しかし先生のための教室となると、先生はうまく生徒にこびへつらって続けてもらおうとするから、上達しなくても別に続けばよいという対応になっている。甘く言いつくろって生徒の機嫌をうかがうといった感じである。

 逆に私がついている先生にはとりたててそういったところはなく、しつこいほど難しい基礎について繰り返しこれでもかというほど丁寧に指導してくださる。この難しいところが一番の上達のカギであり、生徒に嫌われても、生徒がバイオリンの練習やレッスンを一時的に嫌いになっても、それはまったく問題にならない。むしろ、上達のための近道なのである。この嫌われても基礎をきちんとやらせるという徹底した姿勢がないとバイオリンは上達しない。姿勢やボーイングなどひたすら基礎が難しいのが肝なのである。

 よく生活のために生徒をとってレッスンしているから続けてもらわないと困るからという言い訳を耳にするが、これはとんでもない話であって、自分の収入のためならば生徒の時間とお金を浪費しても構わないという考え方であり、生徒はただのカモであるという宣言なのである。学力が低下してもなんら責任がないと言い放つ教師みたいなものである。

 そういう講師の先生は案外多い。特に入門編の先生や初心者専門のような教室で行われている優しいサービス精神を偽装したカツアゲのような教室である。

 そんな先生のために時間とお金を無駄にして下手な趣味の烙印を押され、しかも誰も上達のための方法は教えてくれない状況に自分を置いている人がたくさん存在していることは、バイオリン音楽にとって決してよいことではない。クラシックの世界で食いっぱぐれたからといって一般のバイオリンファンを食い物にするのはいかがなものかと思う。よくわからない一般の人をだましてさも上達するかのような印象を与えながら生徒をつないでいくだけのレッスンとやらを続けることのストレスというのも本来講師にとってもよくない。

 ただバイオリン弾きに短時間もてなしてもらいたいだけの人はそれでもかまわないが、もし少しずつでも上達したいのであれば、そういう先生や教室を避けると無駄がなくなる。あなたの貴重な人生の時間がどんどん無駄になり、レッスン代は水の泡と消えゆくのみ。

 あたりまえのことだが、少し厳しい先生のほうが優しく上達には近道だ。

 楽譜通りに練習をしてから、その上で先生がより適切に上達するように指使いを変えることはありうるが、これなら練習無しでも弾けるだろうからという指使いを教えることは本来ありえない。生徒のためにならない邪道そのものである。

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プロとアマはカツアゲの関係でよいものか?

 ダラダラと時間とお金を浪費してなにか文化的な楽しみだと勘違いしているような人たちは気が付いてほしい。あなたはただのカモであると・・・。

 あまり敷居の高すぎる教室に挑戦するのは難しいという人は、初心者のための先生に上達するための方法だけを習うという方法がある。音大は最低限卒業しているから、本来はこうするべきだという方法を知らないわけではないからだ。ただ雰囲気だけごっこ遊びで終わって、教えてもらわないだけで終わってはなにもならない。講師におべんちゃらを言われて楽しく満足するなんてアホの極みである。

 そして生徒が上達しないようにしたままにして講師を名乗るのは詐欺師そのものである。笑い話ではあるが、いっぺん生徒が辞めるのを覚悟できちんとした指導をしていくという徹底した方針を文科省あたりで通達してほしいくらいだ。あんなもの教室じゃないし講師でもないやというまっとうな意見がきちんと通る世の中になってほしいと願っている。アマチュアに到達度習熟度があまりに低いままの人が多すぎる。

 到達度が少しばかり先の者として、初心者のみなさんがたの健闘を祈る。