FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

静岡県知事も 

 学術会議任命問題で、静岡県知事も私と同じような見方をしておられたので、勇気づけられた。まさに教養レベルの話であって、そういうことはしてはいけないという典型的なケースだと感じました。内閣府の方の答弁を聴いていても、つまり首相に対してなにも言えない立場だから何も言わないでいるというだけで、任命しない理由がなにもないのです。高度に専門的なメンバーの実績などを評価するのが高度に専門的な人たちであって、それに対して専門知識のない立場の首相が任命拒否をするというのは、ほとんど悪意があるとすら言われかねません。その道の専門家がきちんとした手順を経て決めた推薦ですから、それを聞かないというのは傲慢ですらあります。

 せっかく叩き上げの人格者が総理になってくれたのかと思って少し期待していたのですが、どうやら早くも期待は悪い形で裏切られたようです。

 研究学問をする方たちに自由な議論をしていただいて、それなりの議論の結果を尊重するというスタンスは、大学卒なら当たり前の肌感覚でもありますが、今度の首相にはそういった基礎的な感性が欠けているのかなと危惧しはじめました。

 ありがちなことではありますが、政治家だから学問より政治的思惑やゼニ儲けを優先したい魂胆というのはわかりますが、こと国政の重大な問題に関わる話ですので、特定の政治目的や目先の利害というものを優先できない話です。学術会議の元会長が仰っていましたが、学術会議の推薦内容に介入されることは予想だにしていなかったということです。任命拒否は本来ありえないことであり、とんでもないことをやらかしてしまっているのです。

 どうやら政治家のために、あるいは政府のために学術会議があると思い込んでいるのでしょう。つまり政府与党には、学術会議が独立した判断を委ねられた大事な機関だという一般的な見方ができないようです。

 とどのつまり政府は憲法が邪魔で邪魔で仕方がないということなのでしょう。憲法を理解できない肌感覚は危険なものだなと改めて思いました。

 静岡県知事は「学問立国に泥」「首相の教養レベル露見」とまで言い切っていますが、時宜を得た適切な指摘であろうと感じました。国民の一人として、首相には一日一刻もはやく訂正してほしいと願っています。