FujiYama’s blog

バイオリン弾きの日常的な生活の風景、感想などのブログです 政経もけっこうあります

学術会議任命問題はどこへ

♪ 線路は続くよ ♪ どこまでも ♬

 ご飯だ ご飯だ さあ食べよ

 いちいちこれから同じ話を延々とされるのかと思うと、つまりどういうことか、整理しておきたくなるのが人情でしょう。テレビをつければ任命問題。憲法解釈となってまた同じ話かと。

 きちんとした記録に総理大臣には形式的任命権しかないと残っていますし、任命を拒否しないことも約束事として数十年前に決められましたが、どうやら安倍政権下で、その方針を政府としても変更して押し切ろうという合意があったようですね。法的には政府としてとってはならない立場を明確にしたわけです。それは自民党と政府の法律解釈だけを優先して、それ以外を違法と定めようとしているわけです。公平な立場としてではなく、ある特定の政治思想に基づいた偏った見方であるということもできます。

 今後憲法より安保法制を優先した法律解釈がさらに拡大されて、国民の基本的人権に制限がどんどんかけられていくことは明白ですが、政府をただす立場の国会の第一党が自民党で、その役割はまったく果たさずに政府とべったりですから、この先は暗黒政治しかありません。野党が公平な意見を主張することはできますが、一切採用されないでしょう。裁判所も政府とべったりの裁判官というのが存在していますから、非常に危険な政治状況であり、中国や北朝鮮とそう大差ない部分も出てくるのではないかと危惧します。

 要するに日本人は官僚政治に従っていればよいというエリートに対する人任せの政治感覚が蔓延しているので、自民党が第一党でもあまり気にならないのです。自民党はそこそこ歴史がありますが、安保を基準にしながら中国ともべったりという大国偏重のきらいがあり、日本人のために本当に仕事をしてくれるのか、という疑念を持つ人も結構いますが、安保があれば大丈夫だろうという楽観的な見方なのでしょう。軍事的には一応安心できる状況がありますが、要は日本人が毎日の生活を安定して送ることができるのかどうか、仕事ができるかどうか、子育てができるかどうか、にかかっています。

 政治は最大公約数なので、自民党第一党のままでも別になんとかなるだろうというのが大多数の日本人の見方なのでしょう。マスコミは自民党だけでは面白くないので、非常に煽りますが、もうひとつ考えておかなければならないことは、はたして日本国憲法は安保なしに成立するかという逆説的命題です。憲法解釈すら偏っているのですから、安保安全保障問題を抜きにするというのも偏っており、どっちもどっちという危険性があります。地位協定に改善の余地はありますが、では安保そのものをどうこうできますか?安保無しで国民生活が送れますか?東シナ海で漁ができますか?タンカーは安全に航行できますか?

 テレビは綱引きショーだということであり、国会すら綱引きショーなのです。

 現実に安全保障問題は存在しており、安保を維持しながら、国家経済活動をしなければならないという視点が抜け落ちた夢想論としての野党の主張にすぎないわけです。なぜ地位協定について国会で議論しないで、学術会議任命問題を取り上げるのかと不思議です。本気で日本人のことを考えていれば、任命問題は端的に簡潔に済ませて、地位協定問題で政府としっかり協議しながら議論をすすめていくはずですが、そういう心ある政治家は見当たりませんし、少なくとも報道されません。

 マスコミや野党も安全保障問題をきちんと踏まえた憲法解釈と国民の生活上の基本的人権についての議論を中心にしてほしいと思います。

 政治ショーやワイドショーというのは本当にいい加減で無責任なもので、日本人が政治意識を向上させる余地を消してしまっています。

 政府が偏向した改憲キャンペーンをやりだしてから以降、護憲というものがようやくある程度のボリュームをもって主張され始めましたが、まだまだ国民の問題意識を深める段階までは至っていません。

 国会が国会として機能するために、日本国民の日々の幸福追求のために、地に足の着いた学術会議任命問題の議論をしていただきたいなと願うものです。なんとかなるだろうという寝ぼけた国民もたくさんいますが、日本国が衰退の一途を辿っている現状から、その甘い認識のままではにっちもさっちもいかなくなります。

 GDPが大幅に減少して税収も落ち込み、消費増税の影響で個人消費も冷え込んで、しかも少子高齢化が進むなかで、改憲一色の政府与党というのもわかりやすい状況です。今より国民の基本的人権を制限してもやっていけるという自信過剰な一群も存在しているのですね。商取引制限や進学制限、就労制限などをガンガン進めていくのは、つまり政治独裁と商業独占が目的なのではないでしょうか?護憲と安保維持を両立させるという路線はないのでしょうか?

 これだけわかりやすい状況なので野党側も主張しやすいし、国民も選びやすいのかなとも思います。野党はとりこぼしがないように安全保障に関する明確な方針を打ち出さなければなりませんし、それは夢想的であってはなりません。国際関係における信義と友好というものがどこまでも力関係で決まっているだけであることを忘れたかのような某元首相のトラストミーという空しい響きを今、再び思い出します。

 国民が頑張って努力してなんとかなる間はいいですが、現実問題その努力だけではどうにもならない局面がもう今、来ています。日本人は改憲論者でなければ非国民であるとされるような悩乱した民族になってしまっているのです。学術会議の推薦を拒否するというのはそういう意味だと思います。今の政府はあまりに偏りすぎではないかと思うのですが、みなさんはいかが思われるでしょうか?あまり考えても結論は出ませんが、与野党の論陣がいつも同じパターンでしかも政党支持率もかわりばえしないので・・・。

 現実は政府の税収とGDPを維持するためだけであって、日本人が死滅していくことに対しては特に抵抗がないので、別に革命も起きないので、大半が子孫も残せず、大半が長生きもできず、みんな別になるようになるだろう、という自己中で投げやりな官僚・エリートさんたちが重用されていますね。これはまさに国が亡びる前兆です。コロナでは日本は滅亡しないのです。仁義なき民族、仁義なき政治、仁義なき政府によって日本は滅亡していっているのです。

 少し考えた方がよいなと思います。